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疲れにくい心をつくる すすっと瞑想スイッチ

2023.01.22 公開 ポスト

肩甲骨を柔らかくして吐き切る 自分を取り戻す呼吸法齋藤孝

スティーブ・ジョブズやイチローなど、世界的な著名人も実践していることで知られる「瞑想」。心にも身体にもいい影響があることが科学的にも実証され始めていますが、とはいえ毎日、時間をとって座禅を組むのは少々ハードルが高いですよね。

そんな忙しいあなたにオススメなのが、テレビでもおなじみの齋藤孝さんが書いた『疲れにくい心をつくる すすっと瞑想スイッチ』。ハミングをする、鏡に映った自分を見る、バッハの曲を聴く……。スキマ時間で簡単にできる、気持ちを鎮めて意識を整える方法を、本書からいくつかご紹介します。

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「吸う」より「吐く」が大事

瞑想法の基本は呼吸法です。呼吸を意識する、イコール自分を取り戻すことです。従ってどの瞑想法の場合も、呼吸を軸に考えます。

普段はなかなかしませんが、意識的に息が出ていった、入ってきた……と考えてみることをお勧めします。いまを生きている自分が浮かび上がってきます。

息を吸って吐くという行為は、潮の満ち引きのように、生きて死ぬ、生きて死ぬ……をひと息ごとに繰り返しているようなものです。自然と生死を見つめ直す心持ちになります。

(写真:iStock.com/Pheelings Media)

呼吸法において大事なのは「吸う」より「吐く」です。「吸って、吐く」ではなく、とにかく吐く。ゆっくり長く吐けば、自然に吸うことになります。従って「吐く」ことに意識を傾ければいいのです。

 

村木弘昌『釈尊の呼吸法』(春秋社)では、長く緩く吐くアナバーナ・サチという呼吸法で、釈尊は悟りを得たとしています。

たとえば仏壇前の鈴がチーンと鳴っている間に、鼻から吸った息をフーッとゆっくりゆっくり吐いていきます。「ただゆっくり吐く」よりも、「チーンという音に合わせて吐く」ことを意識します。そうすると、心がすっとまとまります。

ジョギングで肩甲骨をほぐそう

体内の空気を入れ替えるイメージで、息を吐き出すとき、「ほぐして出し切る」作業が大事です。

そうした「ほぐす」「出し切る」に有効なのがジョギングです。

ジョギングといっても、走ることが目的ではありません。軽く走りながら、肩甲骨をわざと上下にカチャカチャ揺らします。そうすることで、体内に溜まったものがほぐれます。

(写真:iStock.com/Dmitry Belyaev)

肩甲骨を動かすという意味では、縄跳びでもいいでしょう。ボクサーが縄跳びをするのは、下半身を鍛えるためというより、肩甲骨のまわりを柔らかくする効果を考えてのことだそうです。

肩甲骨を柔らかくしてから、吐ききる。そのうえで長く落ち着いた呼吸を意識してやってみましょう。

さらに2回吐いて軽く2回吸うという、ハアハア「吐く」を中心に呼吸すると、瞑想状態に入れます。

 

ジョギングをしていると、身体は動いているにもかかわらず、なぜか静かな感じが訪れます。ハアハアと息が苦しいのに、意識は動かない。苦しいはずなのに、自分は別のところにいるような感覚です。

これは、まさに「ゴルゴ13」的境地といえます。ゴルゴ13ことデューク東郷はスナイパーですが、かなり過酷な状況に置かれても、自分の痛みを排除できる特技を持っています。

彼ほどまでいかなくとも、身体の苦しさを意識が無視して関係ないものとする、それこそ身につけたいものです。

関連書籍

齋藤孝『疲れにくい心をつくる すすっと瞑想スイッチ』

坐禅を組むだけが瞑想じゃない! 好きな絵を見る、卓球のラリーをする、空を見上げるなど、気持ちを鎮めて意識を整える、簡単で実践的、一日数回のスキマ時間でできちゃう57の方法。

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齋藤孝

1960年、静岡県生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒業。東京大学大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。『身体感覚を取り戻す』で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(毎日出版文化賞特別賞)がシリーズ260万部のベストセラーになり日本語ブームをつくった。Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。『15分あれば喫茶店に入りなさい』『イライラしない本』など著書多数。累計発行部数は1000万部超。

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