スティーブ・ジョブズやイチローなど、世界的な著名人も実践していることで知られる「瞑想」。心にも身体にもいい影響があることが科学的にも実証され始めていますが、とはいえ毎日、時間をとって座禅を組むのは少々ハードルが高いですよね。
そんな忙しいあなたにオススメなのが、テレビでもおなじみの齋藤孝さんが書いた『疲れにくい心をつくる すすっと瞑想スイッチ』。ハミングをする、鏡に映った自分を見る、バッハの曲を聴く……。スキマ時間で簡単にできる、気持ちを鎮めて意識を整える方法を、本書からいくつかご紹介します。
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なんでも速度を緩めてみよう
速度を緩めてみるのもひとつの方法です。
たとえば箸の上げ下ろしをゆっくりやってみましょう。豆をつまむとか、魚の身をほぐすなど、ひとつずつの行為に細部まで意識が行き届くのがわかるでしょう。
また、本をゆっくり読むのもアリです。
たとえば私は『論語』のような本を、時間をかけて訳しながら読みます。1時間で進んだのは結局2ページなんてこともありますが、そのくらいのペースで読むことで、いつのまにか意識が冴えわたります。
どんな文章でもゆっくり読むと詩のように感じられるものです。
外国語の文章を間をあけながらゆっくり読んでいくと、ジワーッと頭の中に入ってきます。
斎藤兆史さんは『英語達人塾 極めるための独習法指南』という本で、英語を上達させたければゆっくり読むことが必要だとアドバイスしています。
ゆっくり読むと、自分の発音がチェックできます。速く読むとごまかせちゃいますが、一音一音読むと間違いが際立つそうです。
泳ぎも同様です。
泳ぐのではなく、とりあえず膝を抱えて浮いてみます。
その浮いた状態を維持しながら、呼吸を整え、手や足をひとつひとつ意識しながら動かします。
いま、自分が取り組んでいるプロセスに意識を集中させると、結果的に速く泳ごうとか長く泳ごうとか思っているときより速く長く泳いでいたりします。
速く、長く、と目的をつくるよりも、逆に速度を緩めたほうがいい結果が得られます。これは禅スイミングといえるかもしれません。
この考え方はスイミングに限ることなく、禅ウォーキングや禅ラーニング、禅リーディングとしても活用できそうです。
速度を上げると世界がゆっくりになる
スピードを速める、という方法もあります。
たとえば電子メトロノームの速度に合わせて、最速でいくつまで数えられるかやってみたことがあります。高速モードで目をものすごい速さで動かしながら数えると、それを止めたときに世界がスローモーションで見えて、意識が整います。
また、速読もお勧めです。
本の内容が、列車の窓から見る風景のように、どんどん飛び去っていき、意識が覚醒します。
ひとつひとつの言葉の意味や、作者の意図を分析していたら、目は速く動きません。
むしろ、大局を見る感覚で、目の前を流れていく映像を大づかみにします。
速読をしたあとは意識の回転数が普段より格段に上がっているため、普通の世界がゆっくりに見えます。
疲れにくい心をつくる すすっと瞑想スイッチ
スティーブ・ジョブズやイチローなど、世界的な著名人も実践していることで知られる「瞑想」。心にも身体にもいい影響があることが科学的にも実証され始めていますが、とはいえ毎日、時間をとって座禅を組むのは少々ハードルが高いですよね。
そんな忙しいあなたにオススメなのが、テレビでもおなじみの齋藤孝さんが書いた『疲れにくい心をつくる すすっと瞑想スイッチ』。ハミングをする、鏡に映った自分を見る、バッハの曲を聴く……。スキマ時間で簡単にできる、気持ちを鎮めて意識を整える方法を、本書からいくつかご紹介します。