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一点集中 ムダ取り勉強法

2023.06.12 公開 ポスト

子ども4人を東大に合格させた「1けたの足し算」プリント 効果と作り方佐藤亮子

「痛いの痛いの、飛んでけ」は言わない、やる気スイッチより「楽しさスイッチ」、絵本を「1万冊」読み聞かせる、すべての基礎は「1けたの足し算」……。4人の子どもを全員、東京大学に合格させたことで注目を集めた佐藤亮子さん。著書『一点集中 ムダ取り勉強法』は、そんな佐藤さんが実践してきた子育て法、勉強法を一挙公開した一冊です。その中からぜひ実践したいノウハウを、みなさんにご紹介します。

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すべての基礎は「1けたの足し算」

小学校の学習で子どもが習得しなくてはいけない分野はたくさんありますが、算数で言えば、1けたのたし算が基本中の基本だと思います。

引き算が苦手なお子さんはたし算ができていないからです。

(写真:iStock.com/Milatas)

九九、かけ算、わり算、文章題、いえ、中学校にかけての学習の基礎でもあると私は考えています。

小学校1年生から2年生までに、1けたのたし算がすらすらとできるようにしておいて損はありません。

いろいろな方法がありますが、算数が苦手な親でもできるのが次のような計算練習です。これは、わが家の子どもたちが幼稚園生のころにくもんの先生からいただいたプリントを基にして私が考えた計算練習プリントです。

 

【1けたのたし算プリントの作り方】

(1) B4の紙を1枚用意する

B4サイズの紙(コピー用紙など)を1枚用意します。B4サイズはテスト用紙と同じ大きさです。子どもにとってこの大きさが書きやすく見やすいサイズだと思います。

(2) 1けた+1けたのたし算に+10も入れて100問書く

ここに、1+1から10+10までのたし算の問題をシャッフルして書いていきます。手書きでもいいし、ワードなどでパソコンで打ってもいいでしょう。+10を入れるのは、+10のたし算は簡単で子どものサービス問題になるのと、+10のたし算をすると十進法のしくみが理解できるためです。

 

書く順番は自由ですが、「子どもの力を試してやろう」と思わず、あくまでもお子さんに対する愛情を持って並べましょう

たとえば、7+8などの難しいたし算を最初に出さないでください。子どもはそこでめげてしまいます。

子どもが勉強を始めるときはとっかかりが苦手なものです。でも、最初にやさしい問題が見えていると元気に問題に向かえます。ですから最初には3+1や、2+2など、答えやすい問題を出してあげましょう

同じ問題を何度も繰り返そう

しばらく解いて、「疲れたな」と思うころに1+1などの「超やさしい問題」を入れておきましょう。子どもにとって癒しになり、また先に進むことができます(これが愛のある出題です)。次に例題をつくってみましたので、参考にしてください。

問題には必ず=も入れてあげてください。=をいちいち書くのは子どもにとって面倒だし、時間のムダです。

 

(3) 同じ問題を繰り返す

この用紙を50枚ほどコピーします。宿題が終わった後でも、夕飯の前でも、お休みの日でも折をみて、子どもが疲れていないときに解いてもらいます。すらすらと流れるように解けるようになるまで練習しましょう。

すらすら解けるというのはどのような状態かというと、鉛筆が最後まで止まらずに動いて、全問正解という状態です。

「同じ問題だと覚えてしまって勉強にならないのでは」と思う方がいるかもしれませんが、この練習の目的は「覚える」ことなので、それでいいのです。

「暗記する」ことに罪悪感を覚える人は多いようですが、暗記があってこそ、応用があるのです。

計算が苦手なお子さんに、「たし算の練習しようか」と言うときっとビクッとしていやがるかもしれませんが、この方法だと最初の1~5問目ぐらいまでは見慣れているのですらすらと解け、次にいく意欲が湧いて、元気を保ったまま最後まで続けられるのです。

コピーして同じ問題を解くのは学習を始めるハードルを下げるためでもあります。

 

そして、もし、中学生のお子さんがいて数学の成績がはかばかしくなくて悩んでいるというような場合も、この1けたのたし算100問の習熟に戻って復習してください。

中学生になっても小数のわり算ができない生徒が現実にはいるものです。それは小学校のどこかの段階で習熟しないで進んできたためです。原点に戻って復習するのが結局は成績を上げる近道です。

計算力を上げるために問題を解いて力を鍛えることは大事です。

しかし、子どもに苦しみを与えて鍛えようとするのではなく、やさしい問題を最初にもってくるなどして楽しんで練習できるようにしてあげたいものです。

100問が大変な日があります。運動会の練習があった日、とても暑かった日など体力を消耗している日はお休みしましょう。半分だけするのもいいかもしれません。

関連書籍

佐藤亮子『3男1女 全員東大卒医師に! 一点集中 ムダ取り勉強法』

子育ても受験も、日々の暮らしも、優先順位を決めてそれ以外はしないと決めると途端にラクになる! 4人の子どもたちを東京大学理科三類に合格させた著者が教える効果的な勉強法とは?

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一点集中 ムダ取り勉強法

「痛いの痛いの、飛んでけ」は言わない、やる気スイッチより「楽しさスイッチ」、絵本を「1万冊」読み聞かせる、すべての基礎は「1けたの足し算」……。4人の子どもを全員、東京大学に合格させたことで注目を集めた佐藤亮子さん。著書『一点集中 ムダ取り勉強法』は、そんな佐藤さんが実践してきた子育て法、勉強法を一挙公開した一冊です。その中からぜひ実践したいノウハウを、みなさんにご紹介します。

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佐藤亮子

大分県生まれ。津田塾大学英文学科卒業。大分県の私立高等学校で英語教師として勤務後、結婚。長男、次男、三男、長女の4人の子を育てる。長男、次男、三男は灘中学校・高等学校を経て東京大学理科Ⅲ類(医学部)に進学。長女も洛南中学・高等学校を経て東京大学理科Ⅲ類に合格。全員が東大理Ⅲに進学したことから、その子育て法、勉強法が注目されている。
個性を大事に、子どもの気持ちに寄り添う愛情あふれる子育ての姿勢、また効率的でキメ細かな勉強サポート術に定評がある。進学塾「浜学園」でアドバイザーとして活動するほか、メディアでも発言している。
著書に『3男1女 全員東大卒医師に! 一点集中 ムダ取り勉強法』(幻冬舎)、『「灘→東大理」の3兄弟を育てた母の秀才の育て方』(KADOKAWA)、『受験は母親が9割』(朝日新聞出版)などがある。

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