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2014.08.05 公開 ポスト

香山リカ×湯浅誠対談 国論が二分される時代をどう生きるか

最終回
「問題の立て方」を変えてみよう香山リカ/湯浅誠


最年少女子カヤマ、細川・小泉コンビと頑張る


湯浅 私の今の活動のひとつの柱は、さっきも話したように、まちづくりと福祉を結びつけることなんですが、もうひとつの柱は、ファシリテーションというか、公共空間の再建だと思っています。
 前に、朝日新聞の政治部長に、「読売の政治部長と対談して、両紙に同じ対談を載せたらどうですか」と提案したことがあるんです。そうしたら、「相手が一方的だから嫌だ」と言って却下された。
 それって、安倍さんが、習近平さんについて思っているのと一緒かもしれません。でも朝日は、「安倍首相は習近平国家主席と対話すべきだ」と社説で書いています。公共空間の再建というときに、そこが、本当の意味で難しいところだと思います。この話は始めると長くなってしまうので、次の機会に譲りますが。
 香山さんはこれからどうされるんですか。本を出して、次の展開は何か考えていますか。

香山 私がいま希望を持っているのは、原発問題を契機にして何かできないかな、ということ。原発反対の人には、年寄りも若者も右翼も左翼もいるから、それを結集して何かひとつの熱気をつくれないかなと思って、細川護煕さんと小泉純一郎さんが中心になってつくった自然エネルギー推進会議の発起人になりました。
 原発反対という人には若者も多いけれど、会の発起人の平均年齢は76歳なんですよ。すごいでしょ? 発起人12人のうち90代が3人もいる。瀬戸内寂聴さんとドナルド・キーンさんと、梅原猛さん。安野光雅さんが88歳。小泉さんは下から数えたほうが早い、若者グループです(笑)。
 発起人の中では私が最年少で、小林武史さんは私よりちょっと上かな。南相馬市の桜井勝延市長が50代。赤川次郎さんが60代。最年少女子なんだから、頑張れと言われてます(笑)。

湯浅 ご活躍を楽しみにしています。

香山 こちらこそ。今日はありがとうございました。

(構成 長山清子)

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香山リカ

1960年、札幌市生まれ。東京医科大学卒業。精神科医。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題のほか、政治・社会批評、サブカルチャー批評など幅広いジャンルで活躍する。『ノンママという生き方』(幻冬舎)、『スピリチュアルにハマる人、ハマらない人』『イヌネコにしか心を開けない人たち』『しがみつかない生き方』『世の中の意見が〈私〉と違うとき読む本』『弱者はもう救われないのか』(いずれも幻冬舎新書)など著書多数。

湯浅誠

1969年東京都生まれ。東京大学法学部卒。2008年末の年越し派遣村村長を経て、2009年から足掛け3年間内閣府参与に就任。内閣官房社会的包摂推進室長、震災ボランティア連携室長など。2014年4月法政大学教授に就任。NHK「ハートネットTV」レギュラーコメンテーター、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」レギュラーコメンテーター、朝日新聞紙面審議委員、日本弁護士連合会市民会議委員なども務める。著書に、『ヒーローを待っていても世界は変わらない』(朝日新聞出版)、第8回大佛次郎論壇賞、第14回平和・協同ジャーナリスト基金賞受賞した『反貧困』(岩波新書)『岩盤を穿つ』(文藝春秋)、『貧困についてとことん考えてみた』(茂木健一郎と共著、NHK出版)など多数。

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