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アルパカ通信 幻冬舎部

2024.01.26 公開 ポスト

岡本雄矢『センチメンタルに効くクスリ トホホは短歌で成仏させるの』/中山祐次郎『外科医、島へ 泣くな研修医6』‐人生に奮闘する全ての人に読んでほしいエッセイと小説アルパカ内田(ブックジャーナリスト)/コグマ部長

幻冬舎営業部 コグマ部長からオススメ返し
中山祐次郎『外科医、島へ 泣くな研修医6

離島の診療所に派遣された外科医・雨野
隆治。島ではあらゆる病気を診なければな
らず、自分の未熟さを思い知る。ある夜、駐
在所から、身元不明の死体が見つかったと
いう電話が―。累計57万部突破の人気シ
リーズ、驚きと涙の新展開。

一方こちらは、「泣くな研修医シリーズ」第6弾にして最新刊。

外科医になって7年目の雨野に離島勤務の話が舞い込んだ。勤務地は、東京・三宅島からさらに船で1時間かかる神仙島。雨野は二つ返事で引き受ける。島には、上司となる先輩医師もいるが、遠隔地であるため診療科目に関係なく何でも診るのだ。不安と意気込みが入り混じったまま、島での診療生活が始まった。しかし初日から、妊婦、精神を病んだ人、目を負傷した患者などが訪れる。覚悟はしていたが、それまでの外科医としてのキャリアよりもかなり広範な仕事に追われることに。情けないと思いつつも、雨野はふと思い直す。「だからこそ自分はここへ来たのだ」と。外科医になってまだ7年目とはいえ、それなりに慣れも出始めた自分をリセットするために。

そんな折、工事現場でトラックに轢かれた作業員が運び込まれてきた。重傷だが、なんとか手を尽くせばまだ生存の可能性がある。しかし、設備には限界が。都会であれば助かる命も、ここでは違う。命の重さに違いはないはずなのに。さらに島で不審死体も見つかるという物騒な事案も発生して……。

雨野はドラマで見るようなスーパードクターではない。失敗もするし、悩みもする。日々、悔しさや無念さを嚙みしめながら、目の前の仕事に向き合っている。そんな普通の人の物語だからこそ、このシリーズは読者の心に深く染み込んでいくのである。

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アルパカ通信 幻冬舎部

元カリスマ書店員で、POP職人でもある、ブックジャーナリストのアルパカ内田さんが、幻冬舎の新刊の中から、「ぜひ売りたい!」作品をピックアップ。
書評とともに、自作の手描きPOPも公開。

幻冬舎営業部のコグマ部長からの「オススメ返し」もお楽しみください!

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アルパカ内田 ブックジャーナリスト

内田剛(うちだたけし)。ブックジャーナリスト。約30年の書店勤務を経て2020年2月よりフリーランスに。NPO法人本屋大賞実行委員理事で創立メンバーのひとり。文芸書をメインに各種媒体でのレビュー、学校や図書館でのPOP講習会などを行なっている。これまでに作成したPOPは6000枚以上で著書に『POP王の本!』『全国学校図書館POPコンテスト公式本 オススメ本POPの作り方(全2巻)』あり。無類のアルパカ好き。
Twitter @office_alpaka

コグマ部長

太田和美(おおたかずみ)。幻冬舎営業本部で販売促進を担当。本はミステリからノンフィクションまでノンジャンルで読みまくる。アルパカ内田(内田剛)さんとは同学年。巨人ファン。
Twitter @kogumabuchou

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