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「一セットの服」で自分を好きになる

2024.07.02 公開 ポスト

「上手な服選び」の最初の一歩はポイントを絞った“練習”の繰り返しあきやあさみ

「一年3セットの服で生きる」スタイリスト、あきやあさみさんの新刊『「一セットの服」で自分を好きになる』は、自信をもって生きるために、心を満たす服をまず「一セット」つくりましょう、という提案。7月6日(土)には、服を人生の味方にする実践的な講座を開催します。あきやさんの提案する服との付き合い方とは? 新刊より抜粋してご紹介します。

服選びは、知識と経験の「地層」からできている

みなさん、「できることなら、最短ルートで失敗せずに満足のいくファッションがしたい」という思いを抱えています。たしかに、同じ成果をより効率的に短期間で出せるようになれば、それに越したことはありません。

しかし、今まであまりファッションに興味がなかった方(例えば人からもらったお洋服をずっと着続けてきた方など)が、短期間で自分らしいファッションを選べるようになるかというと、やはりそう容た易やすいものではありません。

少なくとも、本気の服選びを始めてから満足するまでには3年以上の月日がかかると思っています。

「誰でも簡単に」「真似するだけでおしゃれ」「お金もかけずにすぐできる」という言葉はとても魅力的ですし、今困っていることを「どうしても早急に解決したい!」ということであればもちろん効果的です。

 

しかし、インスタントに仕入れた情報やよく考えずに買ってしまったもので長く満足が続くことはなかなかないもの。何ヶ月か経つと、「これでよかったのかな……」「なんで買っちゃったんだっけ?」と深い悩みのプールに沈んでいって、着なくなった服が部屋に溢れてしまいます。

ある程度腰を据えて、自分の地層を積み上げないと、深く根を張ることができず、すぐに自信が揺らいでしまいます

はじめの一歩から「上手に服選びができる」というのを目指す必要はありません。ひとつひとつ軽い気持ちで「今回は、練習」「今日もいい地層を重ねたな」と心の中で呟きながら、取り組んでいきましょう。
 

どんな物事も「好きこそものの上手なれ」。練習を始めるときは、できればファッションを恨まず憎まず、ちょっぴり好きになってほしいと思っています。

実は、私は料理が大の苦手。一人暮らしを始めてから、「上手く作れなくって嫌だな……でも作れるようにならなければ」と半ば恨みながら取り組んできました。しかし、憎みながらやっても、全然楽しくないし人と比べちゃうし、上手くもならなければ、もちろん料理好きにもなれません(そりゃそうですよね)。

料理に関する地層を持たず、「誰でも簡単に」「真似するだけで美味しい」「お金もかけずにすぐできる」というものをただ受動的に受け入れて作っていたら、どんどんゴールが分からなくなってしまいました(もちろんそれを提唱する料理研究家さんたちは素晴らしいのですが、自分の目指すところが見えていなかったのが原因です)。

そして「本当にこれでいいのかな?」「みんなから見たら変なのかな?」というモヤモヤした気持ちだけが残っていきました。

好きになるには「ピンポイント」で「何回も」!

なんとかこの受動的なループを抜け出したい! と思って、「楽にすぐに上手くなる」というのを手放し、「一品だけ」好きな食べ物にグッと的を絞って真剣に練習してみることにしました。

例えば「ゴーヤチャンプルーが好きだから毎週作ろう!」と決めて、何回も繰り返し作ってみました。毎回食材選びや味付けを試行錯誤して取り組んでみたら、「私の中では美味しいと思えるものができた」と、はじめて満足できたのです。

私の考える料理のゴールは、「楽したい」でもなければ、「人に料理ができると思われたい」わけでもなく、ただ「自分が美味しいと感じるものを作りたい」という単純なものだったのです。それが分かって、やっと料理が好きになってきました。

ファッションも、料理を作ることも、絵を描くことも、楽器を演奏することも、スポーツなどもきっと同じです。最初に習得したいことをピンポイントでひとつ決めて、「数」をこなしていくことで、自分の満足できる「ゴール」が見えてきます

*   *   *

つづきは、『「一セットの服」で自分を好きになる」をご覧ください。

9月7日(土)には、あきやあさみさん講座「“なりたい自分”でどう生きる? 服で人生を動かそう!」を開催!

会場チケットは完売ですが、オンラインはまだまだ受付中です。内容・申し込み方法は幻冬舎カルチャーのページをご覧ください。

関連書籍

あきやあさみ『「一セットの服」で自分を好きになる』

服は、なりたい自分。毎日、違う服を着なくていい。 一年3セットの服で生きる、人気スタイリストが伝授する、 服を味方にして人生を動かす方法 心を満たす服がひとつあれば、自信を持って生きられる。 ●新しい服よりも必要なのは「全身鏡」。外出先で自分にガッカリしなくなる ●服を「買えない人」も「買いすぎる人」も実は「決められない」ことが原因 ●手持ちの靴、バッグ、アクセサリーで「自分のナンバーワン」を決めてみる ●気に入ったものは「持ってるだけ」でもいい ●自分にとっての「意外な服の試着」が未来を変える ●服選びとは「自分を大切にする」こと… 「自分に必要な服」「自分の可能性を広げる服」が見つかる一冊。

あきやあさみ『一年3セットの服で生きる 「制服化」という最高の方法』

服選びの苦しみからさっさと抜けだそう! 一年3セットの服で過ごす、人気スタイリストによる、 少しの服で「自分らしさ」を作る方法 たくさんの服に時間とお金をかけて着まわすよりも、自分が納得できる同じ服を何回も着る方が、おしゃれで自信のある人に見えるのです! ・まず着ない服を決める ・靴は「自己評価」だと思って選ぶ ・バッグは「自己紹介」だと思って選ぶ ・アクセサリーは「アイデンティティ」だと思って身につける ・季節の始まりは断服式から ・服は愛せる数だけ持つ ・選び抜いた「自分だけの制服」は、人生を豊かにする最初の突破口 制服化のためのアイデアをまとめたイラスト解説付き。

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「一セットの服」で自分を好きになる

「一年3セットの服で生きる」スタイリスト、あきやあさみさんの2冊目の本『「一セットの服」で自分を好きになる』について

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あきやあさみ

一年3セットの服だけで生きる制服化スタイリスト。1985年、東京生まれ。2008年、日本女子大学家政学部被服学科卒業後、都内百貨店に入社。パーソナルスタイリスト、セレクトショップバイヤーを経験後、2018年に退社しファッションスタイリストとして独立。独特なファッション論を情熱的に語るnoteが評判となり、そのスピリッツとノウハウをまとめたはじめての本『一年3セットの服で生きる』(幻冬舎)を出版。新刊『「一セットの服>で自分を好きになる』ではさらに深化した手法を伝授。

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