最近のブームは自転車。
夜散歩が夜自転車散歩になった。
暑い夏の終わり。
腹ごなしに歩いて帰るのも好きだけれど、夜風を気持ちよくあびながら自転車を漕ぐと、私は自由だー!っみたいな気持ちになる。
歩きよりも行動範囲が広がるため、単純に目が楽しい。
私は仕事が忙しいと極端に人と会わなくなるし、それが続くと1人が心地良くて更に人と会わなくなってしまう。そうなると、世界が無難で可もなく不可もなくになるけれど、逆に凪すぎて、変わらない世界にこれでいいのか?と不安にもなる。
気を抜くと1人を存分に謳歌しすぎてしまうため、気を抜かないように、スケジュールに余裕が出来ればなるべく人と会って話すという努力をするように心がける。
っという理由で友達と会っているくせに、楽しいは楽しいけれど、結局疲れて帰る前に1人の時間を過ごしたくなる。
帰ってからも1人の時間なのだけれど、1人でお出かけをしたくなる気分なのだ。
そんな夜にはちょうどいい。
歩きよりも快適で、歩きよりも景色が増えて、歩きよりもワクワクが広がる。風をあびる爽快感も相まって、最高の1人時間。
こんなふうに、東京タワーを見に行ったり、夜景を見に行ったり、海を見に行ったり、広い道路を探し求めて気ままに走ったり。
そうすると、映画で見るような東京だなぁと思ったり、子どものころ見ていたアニメに出てくる東京だなぁと思ったりする。
やっぱり私が東京の街並みが好きなのは、近代的なビル群があったり、海が見れたり、緑も感じたり、迫力のある歴史的建造物もあったり、街も自然もどっちも楽しめるからなんだなぁと改めて思ったりする。
とある日。
気ままに海の方に行ってみようと、適当に自転車で走り出した。橋を越えてたどり着いたのは、港っぽい雰囲気。そこまで来て地図を開いてみると、どう考えても道が続いていない。
ある意味、橋で繋がった離島のような場所にたどり着いた。
一応橋のふもとにはマンションがあり、少ないけれどひとけもある。
そこを過ぎると、海沿いには大きな船が止まっていて、道路には大型トラックが列になっている。
歩きだったら確実にこわいと感じる暗さと、ひとけのなさ。自転車のおかげでさっと通り過ぎ、違う世界に迷い込んだようなドキドキを少しだけ味わった。
あのハラハラは1人で海外に行って全く知らない土地を探索するワクワクと似ている。
いいぞいいぞ。
そういう刺激が私には必要なんだ。
とある日。
誰も居ない坂道を気持ちよくすーっと走る。
大きな土地を発見して、何が建っているのか、ジロジロ見てしまう。こんな東京のど真ん中で。これだけの広さの土地と、重厚そうな建物。どんな世界が広がっているのか、どんな人たちが集まるのかと想像する。
信号待ちで自転車を止め、地図を見てみると、一応名称は出てくるけれど、どんな施設なのか、詳細は謎のまま。
誰が、何のために、こんな大きな建物を建てたのだろうか。私的な東京の謎に分類して、楽しむ。
いまのところ、40分くらいがちょうどいい。
1人で楽しんで、1人で冒険して、新しい道を知って、ここはあの道に繋がるのかと発見する面白さ。
この時間のお陰で、変わり映えのしない毎日なんてテンションからは脱却できる。
歩きの世界だけでなく、自転車の世界にも足を踏み入れてみたら、感じることが大きく変化した。
行動を変えれば、見える世界が変わる。
見える世界が変われば、心は飽きない。
このままでいいのかと頭によぎったときは、その違和感を蔑ろにしない。
楽しいと心から感じられた瞬間を、なるべく覚えておく。
何かを決めると、現実が動く。
観る景色を決めるのも、行動を選ぶのも、全ては自分次第。
明日は何を見ようか。
明日は何を感じようか。
日常を当たり前にせず、しっかり自分で選んでいきたいな。
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いつまで自分でせいいっぱい?
自分と向き合ったり向き合えなかったり、ここまで頑張って生きてきた。30歳を過ぎてだいぶ楽にはなったけど、いまだに自分との付き合い方に悩む日もある。なるべく自分に優しくと思い始めた、役者、独身、女、一人が好き、でも人も好きな、リアルな日常を綴る。