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神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること

2024.12.30 公開 ポスト

「二礼二拍手一礼」の「二」と「一」の意味を知って、正しく参拝、開運しましょう桃虚(神職/ライター)

新年をどう迎えるかは、開運にとって、最も大事なこと!

新刊神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていることより、神様へのお参りの仕方を、学びましょう!

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初詣から始める二礼二拍手一礼で、見目麗しく生きよう

元日の朝の、ピンと冷たい空気。お雑煮とおせち料理。ちょっとだけいただくお屠蘇(とそ)。お正月には、私たちの大好きなものが詰まっていて、否応なしに気分が高揚します。

そして、何はなくとも初詣(はつもうで)。毎日お詣りしている人にとっても、年に一回だけの人にとっても、新しい年にする神仏への最初のお詣りが、初詣です。参拝作法もばしっとキメられたら、幸先よいスタートが切れますよね。

神社で、もっとも基本的な参拝作法は「二礼二拍手一礼」です。

神前に向かい、まっすぐに立ち、両足はかかとをぴったりとくっつけて立ちます。足先は左右くっつけても、すこし逆ハの字に広げてもよい。天から頭を吊られているかのごとく背筋を伸ばし、お腹は平らにして、お尻をきゅっと締め、おへそを縦に長くする気持ちで、ぐっと上に引き上げます。膝と背筋をまっすぐに伸ばしたまま、骨盤から90度、ゆっくりと体を折ります。上体を起こす時にも、背中はまっすぐ伸ばしたまま、お尻の筋肉で持ち上げるようにします。とにかく背中はまっすぐ。これをゆっくりと2回行うのが「二礼」です。

それから、二拍手。体幹をしっかり安定させたうえで、肩の力は抜き、やわらかく両手のひらを合わせます。そして、手のひらをすこしだけずらし、適度なくぼみを作って、良い音が出るように2度、手を打ちます。

最後の一礼は、背中を伸ばしたまま、骨盤から前に倒してゆっくり90度。

(イラスト:宮下 和)

以上です。本気ですると体幹に効きますし、背筋も伸びます。

私は30歳を過ぎて神職になってから1センチ背が伸びました。毎日の二礼二拍手一礼で、姿勢がよくなったためです。

毎日の拝礼をすることによって、季節の移ろいを感じ、気持ちは清まり、姿勢がよくなるおまけがついてくるのです。みなさんも元日から始めれば夏には目に見えて効果が現れるはずです。

驚いたことに、姿勢が良いというだけで人から褒められます。大阪で待ち合わせをすると、「桃虚さんは立ち姿でわかる。シュッとしてはるから」と言われますし、旅行先のホテルで知らないマダムから「朝食の時にあなたの背筋がぴっと伸びていて、ステキやわあと思って」と声をかけられ、隠れた名所を教えていただいたこともあります。魚屋さんに地鎮祭の鯛(たい)を取りに行って、べっぴんさんだからとおまけしてもらったこともありました。

神職になってから「べっぴんさん」と言われる頻度が上がったのですが、顔はいじっていませんから、べっぴんさんとは、顔ではなくて「姿勢がよい人」なのだと思います。

なぜ二礼二拍手一礼なのかを考えてみた

さて、初詣でばしっと「二礼二拍手一礼」をキメたあなたは、きっと「どうして礼と拍手が2回ずつなんだ」という疑問を持つでしょう。丁寧にすれば、1回ずつでいいじゃないか? と。私も最初はそう思いました。

実を言うと、二礼二拍手一礼の明確な意味はわかっていません。意味なんてないという可能性もあります。とはいえ、諸説ある中で、二礼と二拍手の「二」は、「きわめてたくさんの数」を表しているのではないかという説が、しっくりくるかなあと思います。

0が「ない」。1は「ある」。2は「複数ある」。

この「2」という複数は、千や万や億、兆や京や那由多や不可思議を内包しているのだ、という考え方です。「とてつもない数のおじぎ」と「桁外れの回数の拍手」をぎゅっと2回に凝縮するのだから、相当のエネルギーをそこに込める、ということになります。

問題は、最後の一礼です。「神様に対する終わりの挨拶」であるとか、「その場を退く合図」であるといった説がありますが、神職の作法では、このあとに一歩退いてから浅めの礼をし、これが退くときの挨拶とされています。ならば、最後の一礼とは?

それこそ謎に包まれていますが、剣道における「残心(ざんしん)」のようなもの、というのが、私なりの解釈です。以前、戦国武将のように強い剣道七段の先生から、「残心」の概念を教わったのですが、それは、全神経を集中させて相手の面を打ったあと、その打突の形と勢いを保ったまま走り抜けることを言うのです。

これを「二礼二拍手一礼」に置き換えてみると、全エネルギーを集中させて二礼二拍手をしたあとに、残像のように残る心、それが、最後の「一礼」なのではないでしょうか。

関連書籍

桃虚『神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること』

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神主さん直伝。「一日でも幸せな日々を続ける」ための、12カ月のはなし。

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桃虚 神職/ライター

1970年インド(ムンバイ)生まれ、東京育ち。 ライター業を経て、大阪府枚方市の片埜神社にて神職歴20年。 「神社新報」で連載など。筆名の「虚(とうきょ)」の、「桃」は無邪気の象徴、「虚」は素直な心を表す

最新刊に『神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること』。

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