
漫然とお花見するのはもったいない!神様のことを考えてすれば、お花見自体が、運を引き寄せる、すごいものだったのです!
『神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること』が、神様と仲良くなる、究極のコツを伝授!
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“神様映え”させるにかぎる!
いきなり、「神様映え」と言われても、謎ですよね。もちろん、神社の専門用語ではありません。
神様に捧げるにふさわしい、清く、めでたく、おもしろく、雅で、美しい感じをひとことにまとめた、私がよく言うせりふなのです。
神社では時々、巫女(みこ)さんに日々のお供えもの=日供(にっく)を作ってもらうことがあるのですが、そんなとき、彼女たちはかならず聞いてきます。
「これってどうするのが正解ですか?」
もちろん、基本のお供えのしかたは最初に教えてありますし、作ると言ってもうちのお社(やしろ)の場合、日供は野菜や果物、海の幸、山の幸の素材まるのままを「三方(さんぼう)」という木の台に盛りつけるだけ。私はりんご五つを巫女さんに、はい、と渡して

「センス」
と言います。
すると彼女たちは「えええー。私センスないんですー」と困りながら、目の前のりんごを見つめます。大概は、不思議な形のお供えができあがるのですが、ある時、りんごそのものの美しさの正体をぐっとつかんで、神様映えするお供えものができることがあります。これが、美の発見の成功体験です。
もともと、美的センスが壊滅的だった私も、この成功体験をくりかえすことによって美的感覚をすこしずつ、はぐくんできました。そのおかげで、世界は神々への美しい捧げものにあふれていることを知り、いまでは毎日が感嘆の連続です。社寺仏閣や美術館を、おいしいものを食べるように味わうことができます。
こうした美しいものを発見する感覚は、まずその人のふるまいを変えます。やがてその美的センスが毎日の起き伏しにまで表れるようになり、それが美しいものごとを引き寄せるようになっていきます。
巫女さんたちを見ても、自分自身の体感としても、それは間違いありません。
精神的な美しさは心と体を健やかにし、それが幸福度の高さにつながってゆく。このことに、年齢や性別は関係ありません。
というわけで、お花見は神様とともに楽しむ予祝であることを意識して、桜を見におでかけしませんか。
お供えもののように美しくおいしいお弁当を用意し、神様と一緒に和やかに飲み食べする。
お酒が飲めなくても、丁寧に入れたお茶を神様と一緒にじっくり味わっていただく。
秋の豊作や、みんなの幸せ、それから、自分の小さな願い事も予祝してみる。
それだけで、いつもとまったく違うお花見になると思います。
(つづく)
神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること

古(いにしえ)より、「生活の知恵」は、「運気アップの方法」そのものでした。季節の花を愛でる、旬を美味しくいただく、しきたりを大事にする……など、五感をしっかり開いて、毎月を楽しく&雅(みやび)に迎えれば、いつの間にか好運体質に!
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神主さん直伝。「一日でも幸せな日々を続ける」ための、12カ月のはなし。
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