●女優業の楽しさとは?
そうして様々な舞台に出演するようになった中林さん、女優業の楽しさを伺ってみます。
「説明が難しいんですけど、自分が関係ない、もちろん関係はあるんですけど、関係ないってところが面白いんだと思います。この間、愛犬が死んでしまってそれはすごくショックだったんですけど、でも本番があって芝居をやるってときに、その悲しい自分の状態とは切り離されるんです。お芝居のロジックとか、それに則ってやりとりをしていくっていうことで、自然とプライベートな自分の状態とは切り離されていくんですよね。それは自分に嘘を付いているというのともちがって、切り離されたその状態が舞台上ではどんどんリアルになっていくという。でも過去の自分とは切り離せなかったりしますし、上手く言えないんですけど、面白い。それから、俳優というと派手な職業のように思われるかもしれないけど、自分がどうこうっていうより、自意識をなくしていくってことで、成立していくところが面白いと思います。あと、芝居をやってる人って魅力的な人がほんとに多い。演劇を仕事にしている先輩たちと一緒に舞台をやらせてもらうようになって、自分もこれでやっていきたいと思うようになりました」
中林さんは女優業だけじゃなく振付家としても活躍しています。僕も過去に一度、自分の作品の振付をお願いしたことがあります。そんな中林さんに、振りが生まれる瞬間について質問してみました。
「音楽を先にいっぱい聴きます。踊る人が決まってる場合はその人を想像しながら曲を聴いていると、イメージ映像みたいなのが頭の中に浮かんでくるんです。振付を始めた頃は、全部自分が踊ってるイメージで作ってたんですけど、イメージ通りにいかないときに、あたしがやれば上手くいくのにみたいな気持ちになってしまって、それはあまり良くないから、踊る人を想像して、その人がどんな動きをしたらキュンとくるか、みたいなことを考えるように意識してます。その方が自分でも予想外の振りが生まれたりして、バリエーションも増えるし、自分の首を絞めなくていいんです」
僕も俳優さんに台本を書かせてもらってる面があるので、このお話はとてもわかります。
●大事な大事な恋愛話
恋愛のお話しをほとんど聞けてないことに気づきました! 中林さんは恋をするとどうなるんですか?
「恋愛に対してはすごく子どもっぽいところがあって、意地悪したくなったり、わざとメールの返事をしなかったり、ジェラシーを沸かせたくなるんです。性格が悪いですね~(笑)。ほにゃらら君がねぇ、みたいに別の男の子の話しをしてみたり(笑)。でも反対に彼氏にそういうことをされるのは絶対嫌なんです! 他の女性の話なんかされたら、誰その女、なんなの! ってなっちゃいます(笑)。好みのタイプは、そうですね、ナルシストな男性ですかね。そんなに自信があるんだ! すごいな! かっこいい! って輝かしく見えてくるんでしょうね~(笑)。あと背が小さくて、ガッシリしてる人が好きな傾向があります。まあ、この先変わるかもしれないですけど(笑)」
最後に演劇以外で今一番興味があることを聞いてみました。
「趣味とかはあんまりないんですけど、相変わらず動物が好きなので、猫カフェに行ったりしてます。あと動物が好き過ぎて、最近じゃ魚も好きなんです。なので、いつかスキューバダイビングのライセンスを取りたいです(笑)」
中林さん、楽しいお喋りをありがとうございました! またお茶しましょう! そして最後まで読んでくれたみなさん、ありがとう! また次回、お会いしましょう。
小劇場の美しい女優さん
女優の深井順子が主宰する「FUKAIPRODUCE羽衣」の座付作家・演出家・糸井幸之介。彼が生み出す世界観は唯一無二の「妙ージカル」。そんな糸井さんが、小劇場の美人女優さんたちの魅力を引き出します!