2月27日の発売後たちまち重版となった「わたし、すっぴんジャージで『億』を稼いでます。」著者Sarah(サラ)さんは現役FXトレーダー。30歳目前、ゼロからの再出発で、素人知識しか持たずに資金30万円でトレードの世界へ飛び込んだ実体験を元に描かれる私小説である本作品。女子なら誰もが不安に思う恋とお金の奮闘の物語です。FX(外国為替商品取引)って、少額から自宅で始められるって言うけれど、相場の世界は怖いって聞くし……というみなさまに刊行を記念してFXトレーダー対談をお届けします。お相手は、「東大院生が考えたスマートフォンFX」(扶桑社刊)が大ヒット中の著者、田畑昇人さん。スマートフォンでごろ寝しながらトレードをする!?という現役東大院生。今話題のFXとは?
文/高城泰(ミドルマン)
正しいやり方も知らないままデビュー
サラ 私は最初、資金30万円くらいだったかな。仕事を辞めて1年くらい、貯金で暮らしていこうと思って。1年間の生活費を考えたら30万円くらいだったら全部なくなってもいいかなって始めました。
田畑 賢い始め方ですよね。僕は大学三年生のとき、先輩達がスーツを着て就職活動に励む姿を見て、自分がサラリーマンになる将来がとても想像できなくて、突然不安に襲われたのが切っ掛けです。とても単純な発想だったのですが、投資なら一人で出来るしと、資金10万円から始めました。
サラ 実際二人ともそうだったように、少額から始められるってところがFXの魅力のひとつですよね。簡単な専門書を読んだくらいで気軽にスタートしたら、利益も少額ではあるけれど、意外と順調に儲けてしまった感じで、「私って結構才能あるんじゃないの!?」ってすぐに調子に乗ってしまった(笑)
田畑 ボクも同じです。収入といえば時給1000円のアルバイトがベースである時代に、スマホをちょっと操作しただけの最初の取引で1000円儲けてしまって、「ええっ!?マジでっ!?」って。初日で1万円の利益が出て、衝撃でした。でも、地獄を見るのはその後……。
サラ デビューしたてはみんな似たような経験をするんじゃないかと思うんですが、もちろん無知なまま儲けられるほどあまい世界ではない。私は、「損切り」(現状以上に損をしないために、マイナスで決算すること)が出来なくて、コツコツ貯めた利益を一瞬にして無くして。そこで初めて勉強をして、本当の意味でトレードと向き合うことになりました。
田畑 僕の初期は本当にひどかったです。一瞬にして資金が全部無くなって、必死にアルバイトして30万円を再出発の資金として貯め直したのですが、そこにさらに20万円を引っ張ってきて……。
サラ どこから?
田畑 学生ローンから……。
サラ わ!最もやってはいけないことを……。今なら他の人がやるっていったら、絶対止めるでしょ?
田畑 もちろんです。絶対にマネしないで下さい!本当に無知だったなと思います。絶対に余剰資金でやってくださいね。絶対に!!!!