天皇家の普段のお食事は、贅を尽くしたごちそうではなく、野菜中心のバランスのとれた献立でした。
天皇陛下の長寿と健康を26年間支えた料理人が、宮内庁大膳課で培われた料理のコツと“こころ”とともに、97の和のレシピをご紹介する書籍『天皇陛下料理番の和のレシピ』。この書籍の内容をダイジェスト版でお届けします。
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昭和天皇が普段召し上がっていた献立は、意外にも質素なものでした。
それはごくごく一般的な、家庭の食卓に並ぶものと同じ料理です。
私の宮中での仕事は、まさに主婦業そのもの。
家族の笑顔、健康のためにと、日々の食事作りに奮闘する皆さんと同じです。
毎日同じ方の食事をお出しするわけですから、飽きのこない料理を作る必要があります。
料理番として最も頭を悩ませていたのは、このことです。
家庭では家計費の問題もあるでしょうし、時間も限られるでしょう。
食材の種類も豊富ではないでしょうから、なおさら大変です。
実は、宮中でもそうなのです。
だからこそ私たち料理番には創意工夫が求められるわけです。
食材を無駄にしないことは大前提。
切り方や味つけを変えるだけで、違った料理に変化します。
食材の組み合せを変えることも、料理の幅を広げることにつながります。
何より、できるだけ多くの料理を覚えれば、日々の食事作りも少しは楽になるはずです。
本書では、宮内庁課で学び培った料理のコツとこころとともに、
何気ない毎日に使えるような和の料理をご紹介します。
豚肉のしょうが焼き
豚肉はたれに漬け込んでさっと炒めます。焼くというよりは炒める調理法。ボリュームはありませんが薄切り肉で手軽です。
◆材料(2人分)
・豚ロース薄切り肉 … 120g
A) おろししょうが … 30g
A) 濃口しょうゆ … 大さじ1と1/3
A) 酒 … 小さじ2
A) みりん … 小さじ1
・玉ねぎ … 50g
・サラダ油 … 大さじ1
◆作り方
1) 豚肉は食べやすい大きさに切る。混ぜ合わせたA)に漬け、10~15分おく。
2) 玉ねぎは薄切りにする。
3) フライパンにサラダ油を熱し、1)、2)を入れ、手早く炒める。
※第2回は5月3日(日・祝)更新予定です
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天皇陛下料理番の和のレシピ
天皇家の普段のお食事は、贅を尽くしたごちそうではなく、野菜中心のバランスのとれた献立でした。
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