2004年からかれこれ10年以上、ニューヨーク情報に特化したブログを書き続けてきたということもあって、実は、以前からエッセイ的な内容の本を書きませんか?というお問い合わせは、各所から多々頂戴していた。
ブログのタイトルが「ニューヨークの遊び方」ということもあってか、明るく、お洒落で、キラキラとした印象の女性編集者さんからのお声がけが多く、長年、ブログのファンだという編集者さんもいらして、それはそれでとても嬉しく、ありがたいことだった。過去の記事をまとめるだけでも書籍は作れるとのご提案もあった。確かに、うちのブログは、大半の記事にオリジナルの写真も豊富に掲載しており、フォトブック的なものにも対応しやすい。
また、ニューヨークの「アート」や「ファッション」や「IT&メディア事例」などのテーマ別に記事を分けてあるので、まとめる作業も比較的手っ取り早い。おまけに、1つのテーマだけでも、例えば、「B級グルメ」は、それだけでYahoo Japanの登録サイトに選んで頂いている。ちなみに、現在、「ニューヨークの遊び方」は、1つの同じブログからYahoo Japanの登録サイトの3部門(「ニューヨーク > 生活と文化 > 人々」、「B級グルメ」、「オススメサイト > 地域情報」)に選ばれている。Googleでも、「ニューヨーク」を検索すると独自のニューヨーク情報を書いている個人ブログとしては、通常、最上位に登場する。こうした背景もあって出版のご相談も多いのだろう。
しかし、その手のオファーは、これまで丁重にお断りさせて頂いてきた。なぜなら、マーケティング・コンサルタントとしての本業に悪影響が出てしまうかもしれないからだ。一応、小さいながらも会社を起業し、日頃、様々な企業や政府関連機関の皆様との信頼関係のもと、責任の重いお仕事も頂いている身としては、ビジネス系の調査レポートをコツコツ書いている方が性にあっている。
それに「信頼」を重んじるのは日本文化の根幹だ。こうした日本文化こそがグローバル時代に国際舞台で日本人が活躍するための最大の武器だと思う。うっかりエッセイストになってしまって、本業で誰かにご迷惑をおかけしてしまうことだけは避けなければならない。だから、この連載は、グローバル化について考えたり、学べる情報を中心とした、あくまでビジネス書的な内容を目指す。
とは言うものの、本やWEB連載などを読むときの最大の楽しみは、文章を通じて「見知らぬ世界への旅」に連れていってくれることにあると思う。
旅のガイドとなる筆者は、旅先に広がる世界の魅力を誰よりも熟知していなければならないし、読者の皆さんの旅が楽しく有意義なものになるように、できる限り分かりやすく語るべきだろう。
ビジネス書的とはいえ、必要以上に難しく書かれた「塩対応」の連載になったら意味がない。人工的で無機質な説明はできる限り避け、人間らしさや優しさを感じられるよう心がけてみる。明るく前向きで、ワクワク、ドキドキ、夢中になれて、読後に心がポカポカあたたかくなるようなものになれば幸いだ。結局のところ、そうした感覚こそ、ニューヨークの本当の魅力を実感したときの感覚に一番近いとも思う。
ニューヨークの様々な事例をご紹介しながら、これからこの連載を通じて少しでも皆さんのビジネスのお力になれる情報をご提供できればと思う。
ニューヨーク在住の日本人マーケティング・コンサルタントが語る「日本のビジネスに本当に必要なこと」
2004年から10年以上、ニューヨーク情報に特化したブログを書き続けてきた筆者が、「多様性の街」、ニューヨークの魅力や特徴を語り尽くす。グローバル時代を生きる日本人のための、ビジネスに役立つニューヨークのトレンド情報が詰まった連載。特に、海外事業担当者やマーケティング担当者は必読。