池上彰さんの話なら中学生でもわかる?
これからは文系ビジネスパーソンにも、数学的スキルが不可欠です。この連載では、話題の新書『数学的コミュニケーション入門 「なるほど」と言わせる数字・論理・話し方』から内容の一部を抜粋しお届けいたします。数字の苦手な人でも飛躍的な成果を上げられるノウハウが満載です!
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目指すべき姿を具体的にする
第4章では「わかりやすい」の正体をお伝えしてきました。意外にも数学的な要素があることもご理解いただけたと思います。
そこで、ここからもうワンステップ先に進みましょう。実際にあなたが「あなたの説明はいつもわかりやすいですね!」と言われるために、押さえておくべきポイントを解説していきます。
まずは、「わかりやすい」をもう少し具体的に言語化したいと思います。何事もそうですが、理屈がわかっていてもすぐにできるようにはなりません。目指すべき姿をできるだけ具体的にすることが重要です。
たとえば金メダルを目指すマラソン選手は目標タイムを明確にして日々のトレーニングをするはず。数字を使ってこれ以上ないほど具体的な目標を設定します。まさか「とにかく世界中でいちばん速く走るぞ!」なんて曖昧な目標設定はしないですよね。金メダルの〝理屈〟としてはその通りですが。
キーワードは「中学生」
そこで考えてみます。何をもって「わかりやすい話」とするのかと。目指すべき姿を何にするのかと。
難しい問題ですが、私は研修講師や著者として活動してきた経験をふまえ、この問いに絶対的な答えを持っています。そしてその答えはどんなビジネスパーソンにでも当てはまるものだと確信しています。
「わかりやすい話」=「中学生でもわかる話」
あまり意外性のない答えかもしれません。しかし、この1行が正として考えると、いろんなことが腑に落ちます。主な理由を3つ挙げましょう。
なぜ「中学生でもわかる」にこだわるのか
[理由1]
たとえばよく言われる「専門用語はできるだけ使うな」という言説。人は、知らない言葉が出てくるとどうしても「?」という感情になります。中学生でもわかるくらいの言語で説明できたら、ビジネスパーソンが「?」という感情になる可能性は極めて低いでしょう。
[理由2]
また、もしあなたが80歳の方に向けて何かを説明するとしたら、どんな伝え方になるでしょう。おそらく子供に向けて話をするかのように、ゆっくりと簡単な言葉で伝えるのではないでしょうか。高齢化が進む現代。話し方の基本は、ますます「中学生でもわかる」になるでしょう。
[理由3]
さらに言えば、ビジネスシーンでは高卒の方もいるでしょう。しかし、義務教育は修了しているはず。すなわち、「中学生でもわかる」ように話せば、すべてのビジネスパーソンにきちんと伝わるということです。
要するに、「中学生でもわかる」を目指すことは、「誰にでもわかる」を目指すということ。誰にでもわかるように話せる人は、ビジネスコミュニケーションにおいて誰も不快にさせない人。誰だって、そんな人から話を聞きたいと思うものです。
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数学的コミュニケーション入門
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