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さすらいの自由が丘

2018.01.17 公開 ポスト

第5回

ああ、私のタオル今村三菜(エッセイスト)

 私の身体は、汗と涙でできている。

 真夏は食事するだけで、顔から汗が吹き出し首筋を伝う。周りの人からは更年期障害を疑われるが、私の汗っかきは小さい頃からで、バレエのお稽古でクルッと回れば、ピシャッと汗が飛び散り、その上、踊りが下手な事も相まって恥ずかしくてたまらず、タオルを忘れて行った日などは、躊躇せず家に取りに戻った。

 人生は荒波が多く、友人達と込み入った話をすると、つらい思い出が甦り、一生懸命に平静を装って涙を堪(こら)えると、代わりにハナが出たりする。そして、ハナを押さえてズクズク言わせていると、友人に思いがけず胸にグッとくるような温かい言葉をかけられ、不意に涙が溢れる。

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さすらいの自由が丘

激しい離婚劇を繰り広げた著者(現在、休戦中)がひとりで戻ってきた自由が丘。田舎者を魅了してやまない町・自由が丘。「衾(ふすま)駅」と内定していた駅名が直前で「自由ヶ丘」となったこの町は、おひとりさまにも優しいロハス空間なのか?自由が丘に“憑かれた”女の徒然日記――。

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今村三菜 エッセイスト

1966年静岡市生まれ。エッセイスト。仏文学者・詩人でもある祖父・平野威馬雄を筆頭に、平野レミ、和田誠など芸術方面にたずさわる親戚多数。著書に『お嬢さんはつらいよ!』『結婚はつらいよ!』(ともに幻冬舎)がある。

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