私の身体は、汗と涙でできている。
真夏は食事するだけで、顔から汗が吹き出し首筋を伝う。周りの人からは更年期障害を疑われるが、私の汗っかきは小さい頃からで、バレエのお稽古でクルッと回れば、ピシャッと汗が飛び散り、その上、踊りが下手な事も相まって恥ずかしくてたまらず、タオルを忘れて行った日などは、躊躇せず家に取りに戻った。
人生は荒波が多く、友人達と込み入った話をすると、つらい思い出が甦り、一生懸命に平静を装って涙を堪(こら)えると、代わりにハナが出たりする。そして、ハナを押さえてズクズク言わせていると、友人に思いがけず胸にグッとくるような温かい言葉をかけられ、不意に涙が溢れる。
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さすらいの自由が丘
激しい離婚劇を繰り広げた著者(現在、休戦中)がひとりで戻ってきた自由が丘。田舎者を魅了してやまない町・自由が丘。「衾(ふすま)駅」と内定していた駅名が直前で「自由ヶ丘」となったこの町は、おひとりさまにも優しいロハス空間なのか?自由が丘に“憑かれた”女の徒然日記――。