私は紙が大好きだ。 私の生活にはいつも傍らに紙がある。
私が長年、好きで愛好してきた紙は、小学校の時に使っていた藁半紙(わらばんし)だ。あの乾いた枯れ草のような匂いと、尖った鉛筆で書くとたまに繊維に引っかかるような感じが忘れられない。
今、私が1番好んでいる紙はグラシン紙だ。グラシン紙というのは薄くてパリパリした透けた紙でなんともいえない味がある。
ハンガリーの古いグラシン封筒とチェコスロバキア時代のグラシン封筒を大事にしている。特にチェコスロバキアの小さなグラシン封筒は、茶色がかった色で、素朴でレトロな感じがたまらない。この茶色い小さなグラシン封筒は、切手を買った際入れてくれる袋だったそうだ。
私が、この茶色いグラシン封筒をどう使っているかというと、お気に入りのノートに封筒を貼って、大好きなチェコスロバキア時代の古切手を入れて、茶色いグラシン紙の上から透けて見える可愛い切手を見て楽しんでいる。
こういうグラシン封筒は、大阪の「チャルカ」という東欧の紙ものが充実した雑貨店で買う。東京だと、専ら自由が丘の「six」というオシャレな文房具屋さんで買うのだが、私は、この「six」という店が好きで自由が丘に住んでいるのかもしれない。毎日「six」に行って文房具を見たり手にとったりしたいが、「あの人、また来てる」と思われたら恥ずかしいので、時々にするように我慢しているのだ。
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さすらいの自由が丘
激しい離婚劇を繰り広げた著者(現在、休戦中)がひとりで戻ってきた自由が丘。田舎者を魅了してやまない町・自由が丘。「衾(ふすま)駅」と内定していた駅名が直前で「自由ヶ丘」となったこの町は、おひとりさまにも優しいロハス空間なのか?自由が丘に“憑かれた”女の徒然日記――。