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2013.12.12 公開 ポスト

特集〈狂わずして何が人生〉<br>「サッカー本はなぜ人を夢中にさせるのか?」<br>二本柳陵介(編集者)インタビュー

第1回『心を整える。』が心を掴んだ理由
二本柳陵介

会ってすぐに本の見出しを100個つくった

──そうした本をつくるにあたり、長谷部選手に注目した理由は?

 以前『ゲーテ』の特集でサッカー選手にフォーカスした際、長谷部選手にもご登場いただいたんです。その取材が初対面でしたが、いや、びっくりしましたね。会ってみたら、ホントに素晴らしい好人物で。それに感動して、すぐに単行本の企画書をつくりました。それが2009年11月くらいのことですね。

 最初から「ビジネス書、自己啓発書的な内容で本を書いてほしい」とオファーしました。見出しのほとんどを、企画書段階で事前に僕のほうで起こして、それで「こういう内容でイメージしています」と打診しました。取材時の印象や過去の資料などを土台に、既存の自己啓発書などを参考にしつつ、100個くらい見出し案をつくりました。

──具体的に、長谷部選手のどのあたりに感動したのですか?

 いやもう、所作や受け答えのひとつひとつから真面目さが滲み出ていて。まわりがけっこうザワザワした取材現場だったのですが、目の前の相手の目をじっと見て、真摯に受け答えする感じにも驚いた。普通なら、多少はまわりを意識してキョロキョロするものなのに。そういう集中力とか、期待されていることにちゃんと応えようとするところとか、すべてが誠実。見た目も然り。髪型も短く整えられていて、時計はさりげなくロレックスで……みたいに、とにかく細かいところにまで、目立たないけど気を配っている。いまの時代、なかなか少ないタイプだなと。

 サッカー選手って、わりと職人気質だったり、偏屈なタイプが少なくない。もちろんそれはそれで優秀なサッカー選手として必要な一面だと思います。ただ、長谷部選手は、とにかく“感じ”がいいんですよ。最初の挨拶のときから、「はじめまして。長谷部です」とちゃんと名乗って、じっと目を見ながら手を差し出し、握手をしてくれたり。そういうひとつひとつが「この人、ちゃんとしているな」と感じさせるんです。まあ、この特集で一緒だった長友佑都選手、岡崎慎司選手もそうでしたし、内田篤人選手などもそうですけど、「あぁ、なんて気持ちのいい人なんだろう」と思わせる、何かを持っている。サッカー選手としてはもちろんだけど、まず人としての魅力に感動したという面が強いかもしれません。

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二本柳陵介

集英社で編集アルバイトを経て、講談社「ホットドッグ・プレス」の編集を担当。2004年幻冬舎入社。雑誌「ゲーテ」の創刊メンバー。現在「ゲーテ」の副編集長として時計などの担当。雑誌編集の傍ら、長谷部誠「心を整える。」、内田篤人「僕は自分が見たことしか信じない」、中村俊輔「察知力」、楢崎正剛「失点」、横井素子「セレッソ・アイデンティティ」、桑田真澄「心の野球」、ケンタロウ「小林カレー」、長澤まさみ「NO MEANING」、山口信吾「死ぬまでゴルフ!」、「PREMIUM G-SHOCK」などの単行本や、ゴルフ場運営会社「アコーディア」の会員誌の編集も兼務。好きな食べ物はカニクリームコロッケ。欠点は早口。好きな本は警察小説全般。

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