会ってすぐに本の見出しを100個つくった
──そうした本をつくるにあたり、長谷部選手に注目した理由は?
以前『ゲーテ』の特集でサッカー選手にフォーカスした際、長谷部選手にもご登場いただいたんです。その取材が初対面でしたが、いや、びっくりしましたね。会ってみたら、ホントに素晴らしい好人物で。それに感動して、すぐに単行本の企画書をつくりました。それが2009年11月くらいのことですね。
最初から「ビジネス書、自己啓発書的な内容で本を書いてほしい」とオファーしました。見出しのほとんどを、企画書段階で事前に僕のほうで起こして、それで「こういう内容でイメージしています」と打診しました。取材時の印象や過去の資料などを土台に、既存の自己啓発書などを参考にしつつ、100個くらい見出し案をつくりました。
──具体的に、長谷部選手のどのあたりに感動したのですか?
いやもう、所作や受け答えのひとつひとつから真面目さが滲み出ていて。まわりがけっこうザワザワした取材現場だったのですが、目の前の相手の目をじっと見て、真摯に受け答えする感じにも驚いた。普通なら、多少はまわりを意識してキョロキョロするものなのに。そういう集中力とか、期待されていることにちゃんと応えようとするところとか、すべてが誠実。見た目も然り。髪型も短く整えられていて、時計はさりげなくロレックスで……みたいに、とにかく細かいところにまで、目立たないけど気を配っている。いまの時代、なかなか少ないタイプだなと。
サッカー選手って、わりと職人気質だったり、偏屈なタイプが少なくない。もちろんそれはそれで優秀なサッカー選手として必要な一面だと思います。ただ、長谷部選手は、とにかく“感じ”がいいんですよ。最初の挨拶のときから、「はじめまして。長谷部です」とちゃんと名乗って、じっと目を見ながら手を差し出し、握手をしてくれたり。そういうひとつひとつが「この人、ちゃんとしているな」と感じさせるんです。まあ、この特集で一緒だった長友佑都選手、岡崎慎司選手もそうでしたし、内田篤人選手などもそうですけど、「あぁ、なんて気持ちのいい人なんだろう」と思わせる、何かを持っている。サッカー選手としてはもちろんだけど、まず人としての魅力に感動したという面が強いかもしれません。
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