「いまの日本」を前提にしていたら、ろくな考えが出てこない
会場から寄せられた「自分が何を無自覚に前提にしているのか、いかに常識に縛られているのかに気づくのが一番難しいと思った」という感想に対して、「そうです、難しくて当然です。僕らは毎日、新聞やテレビで社会常識のシャワーを浴びているわけですから」と出口さん。
ほかにも日本の農業の問題、大学教育の問題について、「いまの日本を前提にしていたら、ろくな考えが出てこない」という言葉が、出口さんの口からは何度も飛び出しました。
物事を解決する新しい発想を生み出すために、社会レベルで必要なのは「よそ者、ばか者、若者の力で、社会のダイバーシティを高めること」。もっと下品に言えば、「世界中から、好きなことを徹底的にやるオタクとヘンタイが集まる社会にすること」。
個人のレベルで必要なのは、自分が常識に縛られていることを自覚し、常識を疑うトレーニングをすること。意識して癖をつけなければ、「常識のシャワー」から逃れることはできません。そしてやはり、タテ(歴史)とヨコ(世界)の勉強、勉強、勉強。
「常識に縛られていてはいけない」とはよく言われることですが、なぜいけないのかが腑に落ち、「常識に縛られずに考えるとはどういうことなのか」が具体的にイメージできるようになりました(なった気がします)。
チコちゃん人気に便乗させていただけば、「ぼーっと常識のシャワーを浴びてんじゃねーよ!」と出口さんに叱咤激励された2時間でした。
11月15日の第5回、最終回では
■民主主義は絶対か?
■財政赤字は解消すべきか?
■公的年金は破綻するのか?
■海外留学はしたほうがいいのか?
……の4つを取り上げる予定です。
毎回独立したテーマを扱っているので、これまで受講されておらず、1回だけの受講でも、出口塾の楽しさは十分にご体験いただけます。
第5回の参加申し込みについては、こちらのページをご覧ください。
皆さんにお目にかかれるのを楽しみにしています!
出口塾レポート
幻冬舎大学では、7月12日に「出口塾・自分の頭で考える日本の論点」(全5回)を開講します。この連載では、開講のねらいや、各回の講座の様子などをお伝えしていきます。