2014年1月発売の新書幻冬舎編集部

2013・12月発売
愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか～女性皇太子の誕生～

田中卓著 定価（本体880円＋税）

「次代の皇太子」問題が日々切迫している。現在の皇室典範のままでは〝皇太子不在の時代〟がやってくる。平成17年に一旦は開かれかけた「女性皇太子・天皇への道」が〈男系男子絶対固執派〉のゴリ押しによって閉ざされた。そもそも皇室の祖神（そしん）である天照大神（あまてらすおおみかみ）は女性であり、歴代8人10代の女帝が存在する。にもかかわらず〈男系固執派〉が「皇室の危機」といいながら女性天皇を否定するのは、明治以来の皇室典範に底流する単なる〝男尊女卑〟思想によるものではないか。天皇をいただく日本の国体を盤石にするため必読の1冊。

2014・1・30発売
ヤンキー経済～消費の主役・新保守層の正体～

原田曜平著 定価（780円＋税）

「若者がモノを買わない」時代、唯一旺盛な消費欲を示しているのがヤンキー層だ。だが、ヤンキーとはいっても鉄パイプ片手に暴れ回る不良文化は今は昔、現在の主流はファッションも精神もマイルドな新ヤンキーである。本書では密着取材とヒアリング調査により、「ダラダラ系地元族」「悪羅悪羅（オラオラ）系残存ヤンキー」に分化した現代のマイルドヤンキー像を徹底解明。「給料が上がっても絶対地元を離れたくない」「家を建ててはじめて一人前」「スポーツカーより仲間と乗れるミニバンが最高」など、今後の経済を担う層の消費動向がわかる1冊。

編集後記
この本のために、東京都北区近郊の旧車會の若者たちと飲み会をしました。収拾がつかなくなったらどうしようかと内心ドキドキしていましたが、現れた彼らはガンを飛ばすでもなく、パンチパーマでもなく、こちらの質問に気さくに答えてくれるやさしい若者たちでした。けっこう地に足のついた発言が多いものの、車・バイク・タバコ・ギャンブルに費やすお金はかなり高額だな……というのが、濃霧のような紫煙に包まれながら私の抱いた感想です。この会の模様は本書に収録していますので、どうぞご覧ください。

担当・前田

2014・1・30発売
悩みぬく意味

諸富祥彦著 定価（本体800円＋税）

生きることは悩むことだ。悩みから逃げず、きちんと悩める人にだけ濃密な人生はやってくる。ただし、やみくもに悩めばいいわけではない。心が弱っている人は、自分の内面を見つめず現実をしのぐ工夫から始める。心がある程度頑丈ならば、自己を掘り下げ、悩みの正体と向き合う――。苦悩する人々に寄り添い続ける心理カウンセラーが、フランクル、フォーカシング、森田療法、ミンデルらの手法をもとに味わい深く生きるための正しい悩み方を伝授する。

編集後記
 「前の本は、『人生を半分あきらめて生きろ』って言っていたのに、今度は『悩みぬく』ってどういうことなの？」
 あるとき、社内の校正担当者にそう声をかけられました。
 そうですよね……、気になりますよね……、まるで反対のことを言ってみるみたいですよね……。
 でも、そうではないのです。きちんときちんとつながりがあるのです。
 前作と今作は、裏表の関係なのです。

   前作『人生を半分あきらめて生きる』を要約すると、
「悩むべきことを悩むのが大人。それが大人の成熟。でも現在の多く人は、他人と比べたり、世間の価値基準に合わせたり、自分が本当に大事なことをないがしろにしている。悩むべきことを悩んでいない。だったら、比べても仕方のないことを手に入れるのはあきらめ、本当に人生で大切にしなければならないことに悩みなさい」
 ということでした。
 つまり、余計な「人生の半分」は、もう「あきらめて」生きましょう、ということがメッセージ。
 そして、あきらめずにいた残りの半分、大事な半分に、真剣に向き合うことを提言したのが今回の新刊『悩みぬく意味』です。 
「浅くしか悩めない人は浅くしか生きられない人。深く悩む人は、深く生きる人」
 一度しかない人生だからこそ、何度も繰り返されるこの言葉が胸に刺さります。

担当・竹村