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気持ちのいいことが、好き。「“官能”と“快楽”の回路を開くために」

2014.01.29 公開 ポスト

特集<気持ちのいいことが、好き。>

第3回 いまどきの男に必要なのは可愛げだけ植島啓司/湯山玲子

最近の若者は下ネタが苦手

植島 さっき女子会だけど、話を聞くと、みんな、露骨に楽しそうな話をしてるわけですよ。

湯山 露骨って、何それ(笑)。

植島 うん、「男子会」とはあんまり言わないけど、男同士で集まったら、もうまったく女性の話とかしない。

湯山 何の話するんですか。そもそも集まるお友だちがいないでしょ、男って。

植島 男はね、競馬とか、パチンコとか、ゲームとか、遊びで集まるのね。だって、仕事ではつながらないから。ぼくは大学入った時から競馬とか麻雀ばかりやっていて、麻雀の学生選手権でも優勝したし、その後プロも含めた麻雀最強戦でもベスト4に入ったし、もう学問なんかやめて麻雀で生きていこうって思ったこともあったんですね。

湯山 素晴らしい! 連載もされてましたよね。

植島 週刊誌で連載もしたし、競馬のテレビ中継のレギュラーもしたしね。その時にまわりからアドバイスがあって、せっかく大学でいい友だちができるんだから、そういういい人たちを大切にしなさいって。遊び友だちなんて、どうせどこかに行っちゃうからと。でも、いまだに続いているのは遊び友だちだけ(笑)。

湯山 ですよね。でも、二律背反なんですが、やっぱり男の人が素晴らしいなと思いもするんです。女の人は女の人でね、集まると、男と自分の話ばかりですよ。女って、ゲーム的に遊ぶことをあまりしない。私はすごく遊ぶ人なの。いつも遊び道具を探していて、クラブ行ったり、ちょっと珍しいタイプ。外部の対象が大好きなタイプなんでしょうね。女の人って、趣味や興味にあんまり突っ込んでいかない。でも、男のオタクの鉄道の話なんか面白い。うちの旦那なんだけどね(笑)。最初のデートでもういろいろ教えてもらっちゃった。「連結があるだろ、連結が。これの何とかが何とか系と二つあって……」、すっごい面白いなと思ってね(笑)。だから、両方とも歩み寄って、女の人は自分オタクにならずに、麻雀とか碁とかやってもいいと思う。

植島 ぼくが高校生ぐらいの時は、男が集まったらやっぱりセックスの話ばっかりだったのね。あの子とやった、この子とやったとか。だから女の子からすると迷惑だよね。私はまだそんなことしたことありませんって顔をしたいのに、男はみんな情報を共有してるわけ。でもいまはそういうこと話す男たちの集まりってほとんどない。

湯山 ないね。そういえば、日芸って先生と学生の飲み会が盛んなのよ。その飲み会で、私、下ネタが大好きで言うんだけど、笑ってくれてたのは、5年ぐらい前まで。いまはね、顔が曇っちゃうの。エッチはやめてください、みたいな(笑)。

植島 猥談とは言わないけど、エロとかそういう話って、ほんとうにウケないのね。

湯山 ウケないね。

植島 話を振るんだけど、「ええ、まあ」とかね、ためらいの反応しか返ってこない。

湯山 いま、世の中のモードも変わってますよね。

植島 女子会のあの楽しさっていうのは、いままでそういうことあんまりなかったっていうことがあるのかもしれない。80年代とか、いわゆる「女子会」なかったから。

湯山 そうかなあ。

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植島啓司

1947年東京生まれ。宗教人類学者。東京大学卒業。東京大学大学院人文科学研究科(宗教学専攻)博士課程修了。シカゴ大学大学院に留学後、NYニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ客員教授、関西大学教授、人間総合科学大学教授などを歴任。著書に『快楽は悪か』(朝日新聞出版)、『男が女になる病気』(朝日出版社)、『賭ける魂』(講談社現代新書)、『聖地の想像力』、『偶然のチカラ』、『世界遺産 神々の眠る「熊野」を歩く』、『生きるチカラ』『日本の聖地ベスト100』(いずれも集英社新書)、『熊野 神と仏』(原書房、共著)、監訳『図説 聖地への旅』(原書房)など。

湯山玲子

著述家、プロデューサー。日本大学芸術学部文芸学科非常勤講師。自らが寿司を握るユニット「美人寿司」、クラシックを爆音で聴く「爆音クラシック(通称・爆クラ)」を主宰するなど多彩に活動。現場主義をモットーに、クラブカルチャー、映画、音楽、食、ファッションなど、カルチャー界全般を牽引する。著書に『クラブカルチャー』(毎日新聞社)、『四十路越え!』(角川文庫)、『女装する女』(新潮新書)、『女ひとり寿司』(幻冬舎文庫)、『ベルばら手帖』(マガジンハウス)、『快楽上等!』(上野千鶴子さんとの共著。幻冬舎)、『男をこじらせる前に 男がリアルにツラい時代の処方箋』(KADOKAWA)などがある。

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