出世したかったら目指すは「タランティーノ男」
植島 たとえば子どもがいる母親たちが集まったりとかそういうのはあったけど、OLになって、みんな違う会社の子たちが集まって飲んだりするというのはなかったと思うよ。
湯山 そうかもしれないね。結局、女子会は、男性への失望からできたものですよね。男の子と一緒にいたとしても、自分たちがサービスするばっかりで、男の子から何にもサービスが来ないっていうのはみんなよく言う。男に期待できないから、もう女子会でいいや、となったんですよ。
植島 ぼくらからすると、女の子だけで飲んでると、あ、もったいないって感じがちょっとあって(笑)。
湯山 もったいないですよね。しかし、その中でね、「クエンティン・タランティーノ男を探せ」っていうのがテーマなんですよ。タランティーノは、映画監督ね。彼の『グラインドハウス』という映画の中で、女のトークをすごい長尺で撮ってるんですけど、私、見た時に、タランティーノのその女のだらだらコミュニケーションを理解する感性に驚いた。実際、そのあとにインタビューを読んだら、ほんとに好きだって。女性だけの集まりに行って、横で聞いてるのが好きらしい(笑)。
植島 いま、スタバとか、そういうところだと、席が近いから、女の子同士の会話が聞こえてくるのね。ところがね、何言ってるか、さっぱりわかんない。大人数だからわからないんじゃなくて、二人で話してても、符牒で話してるみたいなの。
湯山 符牒! そうね。
植島 情報を収集しようと思って聞き耳を立てるんだけど、拾えないんですよ。あれ、女性特有の会話だね。
湯山 もう連歌と俳句の世界だよね。語感を読み尽くす。「あいつ、ダメでしょ」って、それで、全員がわかるっていう。でも、男が出世したかったら、タランティーノ男になれですよ。いま、マーケットは女性にサービスしないことにはお金にならないじゃないですか。でも、男の中には女性の感覚がない。だったら、情報収集して、製品化しなきゃいけない。さっきのIT系じゃなくて、サービス系の人で成功するのは、そういう人が多い。タランティーノ系ね。女の集まりにポコンといるタイプですよ。
(第4回に続く)