◆「現場のルポライターであり続けること」が何より重要
――関根さんは日本で一番鈴木大介さんと一緒にいる時間が長い編集者だと思うんですが、関根さんから見て鈴木さんってどんな方ですか。第1回では無尽蔵にネタがあるとおっしゃいましたが、今でも取材して常に補充してるんですよね。
関根 補充されてますね。とにかく鈴木さんがおっしゃっているのは、自分は現場のルポライターとして一生食べていくのが非常に重要なことだと思っていると。だから、いくら本が売れたとしても、先生と呼ばれるような存在には絶対なりたくない。講演やメディア出演などが主流になってしまうと、それだけで忙しくなって取材ができなくなってしまうという恐怖心もあるようです。今もストーリー制作をやっていてお忙しいのですが、週に数本は必ず取材の時間を捻出されています。
――漫画だけでも相当な仕事量ですよね。
関根 はい。収入的にも成り立つとおっしゃっていました。もう一本原作をやるなどして、漫画の仕事だけで食べていくことはできるし、それは一番楽だけど、同時にそれは自分が一番恐れていることでもあると。
――そのへんがものすごくストイックというか、ルポライターのなかでも強烈に異彩を放っていると思います。
関根 そうですね。私もそう感じます。