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「ズタボロ」対談

2015.05.01 公開 ポスト

前編

必死に生きる人を瑞々しく描く、「ズタボロ」という映画【前編】ゲッツ板谷(作家)/清水富美加(女優)

-印象に残ったシーンはありますか?

清水 私の屋台の斜め前が、コーイチのイカ焼き屋で、学生でいったら移動教室のときにすれ違うだけの距離感のような。ちょっと離れた向かいで目が合って、笑って…、という感じがちょっと甘酸っぱくて楽しかったです。わー、あのシーンもう1回やりたい!!

ゲッツ 俺は自分のアパートにコーイチを連れてきて話しているシーン。すごい自然でしたよね。興奮しているコーイチを「ここ?」って触るシーンとか、わざとらしくないから全然やらしく見えなくて。リアルで。

清水 リアルって言われるの、すごく嬉しいです。

 

-一番大変だったシーンは?
清水 「板谷コーイチ、いい名前だよ、それだけでいいよ」と言うシーン。「まだ一緒にいたいなあ」という気持ちがあるなかで言ってるんだなあと思うと、感情がぐるぐる回って、どうしても間がすごく延びちゃう。だからずっと集中してたし、立って話しているだけでも、意外と大変でしたね。

 

-そのシーンの動きは、あらかじめ作りこまれたんですか?

清水 あんまり「こうしよう」とは考えなかったです。コーイチの状況を見て「自分が背中を押さないと」という目的だけ決めてて、あとは動いてみてどんな感情がわいてくる、といった感じでした。

ゲッツ だからああいう風に自然に出てきたお芝居になるんですね。
全然関係ないんですけど、うちの嫁と試写会にいったときに「板谷コーイチ、いい名前だよ」の台詞で嫁に笑われました。「馬鹿じゃないの、お前はあんな可愛い子に名前を呼ばれて」って言われちゃいましたね(笑)

 

(後編へつづく)

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「ズタボロ」対談

今年5月9日、映画「ズタボロ」が公開されます。それを記念して、原作『メタボロ』『ズタボロ』(幻冬舎)を執筆されたゲッツ板谷さんと、ヒロインの清美役を演じ当サイトでも連載「たぎりにぎり」をもつ清水富美加さんの対談をおこないました。笑い溢れるお二人の対談、全2回に分けてお届けします。(文、写真:伊東朋夏)

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ゲッツ板谷 作家

1964年東京都立川生まれ。作家。十代の頃は暴走族やヤクザの予備軍として大忙しの日々を送る。著書は『ワルボロ』『メタボロ』『ズタボロ』(幻冬舎)など多数。本シリーズの第二作『メタボロ』を執筆中に脳出血で倒れ、二か月間生死の境を彷徨う。その後、長いリハビリ貴下を経て、奇跡の復活を遂げる。

清水富美加 女優

女優 1994 年生まれ。2015年には、NHK連続テレビ小説「まれ」に、ヒロインの同級生・蔵本一子役として出演。2017年公開の話題の映画 『暗黒女子』主演、『東京喰種』ヒロインで出演。

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