文章を書くということ
― 最後に、お二人とも文章を書かれていますが、「書く」ということはお二人にとってどういうことなのでしょうか。
ゲッツ 元々25歳まで遊んでいてたまたま紹介でライターになったので、今だに自分がライターをやってるなんて、信じられないですよね。喋っている言葉をぽーんと書けたのが自分にとっていい文章なんで、頭を使って難しいことを書くのではなく、簡単な言葉でも読んでくれた人が笑ってくれればいいと思っています。
清水 プロ作家のゲッツさんと私とでは違いすぎますけど…、徒然なるままに。電車に乗っているときも散歩しているときも人を見てるときも、ずっと勝手に、「もしこれが○○だったらどんなふうになるか」って、ずっと考えてるんですね。
ゲッツ 妄想ね。
清水 そう。妄想がすごくて。普通のブログだと「もうちょっと清水さんの中身の部分がいいです、考えていることがわかるやつがいいです」って言われるんで、幻冬舎plusで連載している『たぎりおにぎり』は不毛な部分を徒然なるままに。「これって面白いって思う人っているのかなあ?」って思いながら書いてます。楽しいんです。
ゲッツ 妄想力が一番大切ですよね。文章はだいたいそれで、このシリーズも本当のことがほとんどですけど、ときには「こうしたらもっと面白いだろうな」と考えたりしてます。それは結局妄想力なんで。文章を書くってのは、どれだけうまいありがちな妄想を自分でバーンと出せるかってのが勝負だと思っています。
-なるほど!ゲッツさん、清水さん、ありがとうございました!
「ズタボロ」対談
今年5月9日、映画「ズタボロ」が公開されます。それを記念して、原作『メタボロ』『ズタボロ』(幻冬舎)を執筆されたゲッツ板谷さんと、ヒロインの清美役を演じ当サイトでも連載「たぎりにぎり」をもつ清水富美加さんの対談をおこないました。笑い溢れるお二人の対談、全2回に分けてお届けします。(文、写真:伊東朋夏)