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生き方3.0

2013.11.04 公開 ポスト

特集 生き方3.0 國分功一郎×麻木久仁子スペシャル対談

「政治色がない」運動なんて運動じゃない(1/4)麻木久仁子/國分功一郎

運動のための運動になったら応援できない

國分 麻木さんがおっしゃるとおりで、党派性がないほうがいいっていうのはもっともだけど、運動をやる以上、それが出てこないということはあり得ない。

麻木 問題は党派性にあるんじゃなくて、何のためにその運動をするかより、組織の論理が優先したり、党利が優先したりして運動の中身が歪められることだよね。誰でも自分のスタンスを明らかにすれば、そこに党派性が生まれる。それを「ない」という人たちは、どこかでウソをついてる。騙して動員を増やそうとしてるなって思っちゃう。「既存政党のイメージが先に出てしまうと誤解を受けるから、まず間口を広げる戦略を立てました」ということならば、まぁわからなくもないけど。

國分 小平の住民運動は既成政党との関係はなかったけれど、それでも、何かしらの党派性はあったかもしれない。でも重要なのは、とにかく運動の目的を見失わないということだと思うんです。小平の場合、その点が非常にしっかりしていた。しかも目的がきちんと目指されていることで、運動のやり方が少しずつ調整されていくという感じがあった。だから僕も全力で応援できたんですね。

(この対談は全4回です。次回〈社会全体が「政治に無関心な若者」を育ててきた〉は11月20日掲載予定です)

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麻木久仁子

1962年、東京都生まれ。学習院大学法学部中退後、芸能活動を開始。司会者、女優、エッセイスト、コメンテーターなど幅広く活躍。無類の読書好きで、TBSラジオ『麻木久仁子の週刊「ほんなび」』のパーソナリティを務めるほか、人気書評サイトHONZのレビュアーでもある。

國分功一郎

1974年、千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部准教授。専門は哲学・現代思想。著書に『スピノザの方法』(みすず書房)、『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社、第2回紀伊國屋じんぶん大賞受賞、増補新版:太田出版)、『ドゥルーズの哲学原理』(岩波現代全書)、『来るべき民主主義』(幻冬舎新書)、『近代政治哲学』(ちくま新書)、『中動態の世界』(医学書院、第16回小林秀雄賞受賞)、『原子力時代における哲学』(晶文社)、『はじめてのスピノザ』(講談社現代新書)など。訳書に、ジャック・デリダ『マルクスと息子たち』(岩波書店)、ジル・ドゥルーズ『カントの批判哲学』(ちくま学芸文庫)など。

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