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仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか

2016.05.06 公開 ポスト

第5回

筋トレもビジネスも成功の方法論は同じ山本ケイイチ

●終わったらすぐ次回のメニューを決める

 その日にどんなトレーニングをしたかを記録するのは、多くの人がやっている。

 私はさらに、1種目が終了したらすぐに、次回のトレーニング時に扱う重量や回数を決め、それをノートに書き込むようにしている。

 これはクライアントにも勧めているやり方だし、1人でトレーニングをしている人にはとくに効果的だと思う。

 具体的に言うと、私は市販のトレーニングノートを使い、日付と実行した種目、回数やキロ数を記録する。何月何日、ベンチプレス、60キロで10回、70キロで8回、80キロで6回、といった具合に、実際に行ったトレーニングの内容を記録する。

 そして次の種目に移る前に、
「今日60キロ×10回は楽チンだったから、次回は70キロからスタートしよう」
「最後の80キロ×6回も楽だったから、もう80キロはいいよな」
「じゃあ来週は、もう90キロにいっちゃおう」
 というふうに、次回の内容を決めておくのだ。

ここでのポイントは、その日の自分の体調や、自分にとってのきつさを覚えているうちに、次回のメニューを決めるところにある。プロの私たちでも、ウェイトや回数は覚えていても、きつかったのか、楽だったのかという感覚までは忘れてしまうからだ。

 トレーニングの本を読むと、トレーニングの内容は「その日の体調で決めよう」と書いてあることが多い。しかしその日になってから決めるのでは、「とりあえず、この前と同じところから始めてみようか」となる。その同じレベルで足踏みしてしまうエネルギーがムダだ。

 前回のトレーニングで、60キロ×10回が楽勝だったなら、次回はおそらくもっと楽に感じる。だったら前回の時点で、「次は70キロから始める」と決めておけば、60キロ×10回は使わなくて済んだエネルギーだ。70キロからスタートしていれば、その日は90キロまで上がったかもしれない。

 トレーニングには、一つひとつの動作に際して、何のためにやっているのかを意識しないと効果が出ないという、「意識性の法則」がある。いつも「何となく」トレーニングしていては、効果が少ない。常に「実力を上げていこう、レベルを上げていこう」という意識を持つことが重要なのだ。

 トレーニングが終わるごとに次回の目標を設定することで、トレーニング習慣と自分の生活やメンタルとの間に、よりよい循環が生まれてくるのだ。

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仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか

直感力・集中力が高まる。精神がタフになる。筋トレがメンタル面に大きな変化をもたらすメカニズムを解説。ビジネススキルとしての筋トレ論。

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山本ケイイチ

13歳のとき独学でトレーニングを開始。高校卒業後、陸上自衛隊に入隊。初級偵察教育課程をトップで卒業し隊長賞受賞。除隊後、パーソナルフィットネストレーナーとして、プロのアスリートやダンサー、経営者、外資系エグゼクティブなどを指導。ハードなトレーニング経験と最新の運動生理学・脳科学に基づいた独自のトレーニング理論が高い評価を得て、指導依頼が殺到する。東日本大震災後、宮城県石巻市雄勝町に移住。

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