●よりシンプルに、よりショートに
ジムに長居しない。これもトレーニングを続けるうえで重要なポイントだ。
トレーニングは集中してさっさと終わらせるように「意識」する必要がある。
私の場合、かなりトレーニングに体が慣れているので、特にウォーミングアップはしない。いきなり本番に入って、全トレーニング工程は40分程度で終了する。
トレーニング初心者は覚えることも多いだろうから、最初のウォーミングアップからクールダウンまで、1時間以上かかってしまうだろう。しかし時間をかければいいというものではない。トレーニングの効果は集中度に比例する。ダラダラしていたら、トレーニングの質は低下する一方だ。
実際、多くの優秀なボディビルダーは、1回のトレーニング時間は1時間ぐらいだ。そのうち本当に集中しているのは正味30分ぐらいだろう。それ以上やっても集中力は続かないと思う。
よく「気合があれば、集中力は続くんだ」というような根性論を言う人がいるが、現実問題として、とても続くものではない。集中できないからといって総トレーニング時間を延ばして補おうとしても効果は上がらない。
1時間なら1時間とタイムリミットを設定し、絶対に延ばさないという決まりを自分のなかでつくっておく。そうすれば、「無駄は徹底的に省かなければ」いう意識が働き、一つひとつの動作に集中できる。荷物も減る。それがトレーニングの効果を最大限に引き出すコツであり、同時に継続のためのコツでもある。
よりシンプルに、よりショートに。これが私のトレーニング哲学だ。
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いかがでしたか。「体を鍛える必要は感じるけれど、なかなか踏み出せない」「フィットネスクラブに入ったものの、すぐ挫折してしまった」「ジムには通っているが、惰性になっている、マンネリ化している」――そんなみなさまのお役に立てたでしょうか。
ご興味を持たれたら、ぜひ本のほうもお読みいただけると幸いです。
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