■天使か悪魔か。信頼できる不動産投資コンサルタントの見分け方。
――不動産投資ブームに乗って、危険な投資を勧める悪質な業者も多いと聞きます。実際に投資をしようと考えたとき、相談する相手を見極めるにはどうしたらいいのでしょう。
浅野 「失敗しよう」と思って、不動産投資を始める人はいません。誰もが「成功したい」と考えているはずです。もちろん、コンサルタントである私たちも一人一人お客様の状況に合わせた戦略を立てて、成功するように導きます。でも、だからといって良いことばかり並べて説明してくる担当者はまず疑ってかかったほうがいいでしょう。
たとえば、物件のよいところしか説明しないコンサルタントです。
どんな物件でもいいところがあればマイナス面もあります。100点満点の物件なんて、どこを探しても存在しません。80点の物件であれば、マイナス20点はなんなのか。ネガティブな点をきちんと説明してくれるコンサルタントは信頼できます。
「楽して儲かります」「利回りがいいですよ」という説明も疑ってかかったほうがいいですね。適正な利率よりも飛び抜けて高い場合には必ずなにか理由があります。マイナス面に言及せず「儲け」ばかり強調する「うまい話」に乗ってはいけません。
そして、相談時に必ず目にされるだろう「シミュレーションシート」。想定利回りやキャッシュフローなどが計算されたいわゆる未来予想図ですが、これはしっかりと確認してください。ここで例えば10年後ですとか20年後ですとか、将来の話ばかりしてくる担当者は少し疑ってかかった方が良いかもしれません。
物件の説明ばかりに終始し買う人の生活や状況を考慮しないコンサルタントもパートナーとしてはふさわしくありません。せっかく不動産を購入しても、本来の目的が果たせなかったり、生活に制限が出てきたりするようでは買う意味がありません。しっかりとした支払いのシミュレーションを組み、戦略にふさわしい銀行選びをしてくれる会社を見極めましょう。
また不動産投資をお勧めする理由の一つにある節税対策、これに関してもほとんどの一般のサラリーマンの方々は縁遠いことでしょうから、不動産を購入した後の税金の申告などもサポートしてくれるコンサルタントであれば、長い付き合いができますね。
――各種ウェブサイトに書籍、セミナー、動ける時間が限られるサラリーマンが信頼できる情報やコンサルタントを探すのは大変です。
浅野 おっしゃる通り、現在、不動産投資に関する情報が溢れかえっています。新聞を開けばセミナーはそれこそ毎日どこかしらで開催されていますし、ちょっと検索すれば膨大な情報がウェブに溢れ返っています。
そして、時間が無い、とウェブや書籍にまず手をのばす方が多い。でも、私がお勧めするのは、とにかく「面白そうだな」と思ったセミナーにまず足を運んでみることです。そしてそこに集まった同じく不動産投資を考えている同世代の方々と話してみる。それを繰り返せば、自ずと情報が蓄積されるとともに、この人は、というコンサルタントとも出会えるでしょう。
ただ何よりも大切なのは、購入する人自身が「自分はこうしたい」という確たる考えを持つことです。「なんとなく儲かりそうだから」だけで買う人は、失敗する可能性が高くなります。なぜなら「儲けたい」だけですと、目先のよさそうな話に振り回されてしまうからです。
将来にわたるライフプランを描き、しっかりとした目的を持つことが、不動産投資で成功する最大の秘訣といえるのです。
不動産投資の真実
たとえ正社員でも、減給、リストラ、倒産などの嵐にさらされてしまう現代。自己防衛のため、副収入源として真っ先に候補にあげてほしいのが不動産投資です。しかし「何から始めたらいいの?」「借金までして回収できなかったら……」と、さまざまな不安から二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。本連載では、これまで3000軒以上の投資を成功させた不動産投資コンサルタント・浅野恵太さんの最新刊『9割の不動産営業マンは”お勧め物件”を自分では買わない』より、そんな不安を取り除く不動産投資の現実をお届けします。