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シンギュラリティ・ビジネス

2017.09.10 公開 ポスト

第1回(全3回)

「AIが進化し過ぎてワケわかんない時代」は、すぐやってくる!齋藤和紀

(写真:iStock.com/BsWei)

 今年5月の刊行以来、「おもしろい」「一気に読める」「これからの時代をわかりやすくイメージできる」「AI入門としてベスト」とご好評をいただいている『シンギュラリティ・ビジネス――AI時代に勝ち残る企業と人の条件』。

 著者の齋藤和紀さんが、さる7月1日、「ロンドンブーツ1号2号 田村淳のNewsCLUB」(文化放送)にゲスト出演しました。「俺、シンギュラリティを全然理解してないです」と言いながら即座にポイントをつかんで次々とナイスな質問を繰り出す淳さん、弁護士の篠田恵里香さん(アディーレ法律事務所)、メディア初登場で「ものすごく緊張しています」と言いながら、パーソナリティお二人の質問に落ち着いてさわやかに応じる齋藤さんの、楽しいトークの模様を、3回にわたってお届けします。

 * * *

シンギュラリティとは、科学技術が進化しすぎて、訳が分からなくなること?!


 「今週のすごい人」、本日のゲストはエクスポネンシャル・ジャパン共同代表の齋藤和紀さんです。よろしくお願いします。

齋藤 よろしくお願いします。

篠田 シンギュラリティ大学のエグゼクティブプログラムを修了されたとのことですが、アメリカの大学ですか?

齋藤 はい、シリコンバレーのマウンテンビューというところで、グーグル本社の隣にあります。

 去年の夏、シリコンバレーを取材でいろいろ回って、今年も夏休みに行くんですよ。行ってみようかな、シンギュラリティ大学。

齋藤 夏場はちょうどプログラムをやっていて、今年は日本からも何人か行っています。

 話聞きたいな。齋藤さんがいたら、案内してもらえます?

齋藤 案内するほどのものはないんですけど、大学があるのはシリコンバレーのNASAの基地内で、モフェット飛行場という空港があり、その隣です。とても雰囲気が明るくて楽しい場所。プログラムをやっているときは、かなり盛り上がっているんじゃないかなと思います。

篠田 大学の名前がシンギュラリティというくらいですから、まさに最先端のことをやっているわけですよね。

 その前に、今ラジオを聞いているリスナーがシンギュラリティという言葉を把握できているかですが、安心して大丈夫です。俺がシンギュラリティを全然理解していないから(笑) シンギュラリティって何なんですか?

齋藤 シンギュラリティという言葉、あちこちで聞くようになってきたんですが、日本語では「特異点」、もともとは数学や物理で使われる用語です。難しそうですよね。
最近、新聞などで使われるときには、本来の意味からは変わって、「人工知能が人間を追い抜く」みたいな意味でよく使われています。

 人工知能が人間を追い抜くのがシンギュラリティっていうことなんですか?

齋藤 そうですね、まあそれも一部だと思うんですけれども、より厳密に言うと、最近、科学技術の進化のスピードがものすごく速くなってきていますよね。これがさらに加速して、人間の時間軸で見たときに、ほぼ無限大のスピードになっちゃう、そのポイントが、シンギュラリティなんです。

篠田 ポイント、転換期ということなんですね。

 これまでも人類の技術進化のスピードは速くなってきたけど、まだ緩やかな方だった。AIというものがからんでくると、この技術進化が一気に加速していくということですか?

齋藤 そうです。私が今日お話ししている意味での「シンギュラリティ」という言葉は、2005年に、レイ・カーツワイルさんという方が『ザ シンギュラリティ イズ ニア』(*)という本を書きまして、そこから非常に有名になりました。
 彼は、カーツワイルというブランドのシンセサイザーや、みなさんもよくお使いのフラットベッドスキャナーというタイプのスキャナーを発明した人で、ともかく知能が高い。2012年からはグーグルで、AI開発のエンジニアのトップを務めています。
その方の本が2005年に出てとても売れて、アメリカでシンギュラリティという言葉が一気に有名になりました。

 じゃあ、シンギュラリティとは何かと言われると、いろいろな解釈があって、簡単に一言では言い表せられないけど、今、この番組においての「シンギュラリティ」は、人工知能が人間の能力を追い抜いて……。

齋藤 ……追い抜いて、訳が分からない状態になる(笑)、というのがシンギュラリティの状態だと思います。

淳・篠田 なるほどね。

齋藤 カーツワイルさんは、人類が生命を超越するとか、そんなことまで言ってるんですよ。

 えーっ、人類が生命を超越する?

篠田 死ななくなるってことですか?

齋藤 死なないみたいなこと。といっても、それがどういうことなのかは、私もよく分からないですけれども、科学技術がどんどん進化すると、人類自体が進化していく、ということではないかと思います。

 人間というものの生物の進化を、科学技術がものすごく後押しするということですか?

齋藤 そうですね。

淳・篠田 ええー!

齋藤 それに近いんじゃないかなあとは思います。

*『ザ シンギュラリティ イズ ニア』の日本語版は『ポストヒューマン誕生』、エッセンス版が『シンギュラリティは近い』として刊行されています(いずれもNHK出版)。

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シンギュラリティ・ビジネス

2020年代、AIは人間の知性を超え、2045年には、科学技術の進化の速度が無限大になる「シンギュラリティ」が到来する。そのとき、何が起きるのか? ビジネスのありかた、私たちの働き方はどう変わるのか?

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齋藤和紀

1974年生まれ。早稲田大学人間科学部卒、同大学院ファイナンス研究科修了。シンギュラリティ大学エグゼクティブプログラム修了。2017年シンギュラリティ大学グローバルインパクトチャレンジ・オーガーナイザー。金融庁職員、石油化学メーカーの経理部長を経た後、ベンチャー業界へ。シリコンバレーの投資家・大企業からの資金調達をリードするなど、成長期にあるベンチャーや過渡期にある企業を財務経理のスペシャリストとして支える。エクスポネンシャル・ジャパン共同代表、Spectee社CFO、iROBOTICS社CFO、Exoコンサルタント。

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