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シンギュラリティ・ビジネス

2017.09.10 公開 ポスト

第1回(全3回)

「AIが進化し過ぎてワケわかんない時代」は、すぐやってくる!齋藤和紀

とてつもない変化は、思っているよりかなり早く来る

 科学技術がどんどん進化して、地球上の生命体というか人間の生命というものも随分変わって訳が分からない状態になるというのがシンギュラリティだというお話なんですが、その訳分かんなくなるのって、大体いつぐらいなんですか?

齋藤 カーツワイルさんが計算してみたら、ソフトバンクの孫社長もご自分で計算をしたと仰ってるんですが、2040年代の半ばにはそういう時代が来るのではないかと言われています。

篠田 2040年代って、すぐですよね。

 そのときには、もう訳分かんないぐらい、技術が進み過ぎてるということですか?

齋藤 そういうことになりますね。ただ、シンギュラリティが本当に来るかどうかは、本当のところは誰も分からないです。あくまでカーツワイルさんの予言ではあるので。

 齋藤さんから見て、2040年代半ばぐらいに科学の技術進歩が爆発するという見立てはどうなんですか?

齋藤 そうですね。実際、最近のいろいろな技術を見てみると、2倍、4倍、8倍という、「倍々ゲーム」のスピードで進化しているんですよね。たとえばコンピュータの世界では有名な「ムーアの法則」というのがあって、これは、パソコンの性能は、18カ月毎に倍になるというものなんです。すごいスピード感でしょう?

 はいはいはい。パソコンの進化ってそうですよね。

齋藤 産業革命ってありますよね。18世紀末に、産業が機械化する第1次産業革命が始まってから、その後、重工業が発達する第2次産業革命が始まるまでに、200年かかってるんです。ただ、そこから、IT革命と呼ばれる第3次産業革命までは100年足らず。
 さらにそのあと、IOTやAIが登場する最近の第4次産業革命が起きるまでは、数十年も経っていません。どんどん間隔が短くなっています。
 さらに今は、VR(バーチャルリアリティ)のデバイスが登場し、SIRIやアマゾンのAIスピーカーも出てきて、AIが言葉を理解し始めている。そうすると、第5次産業革命って、2、3年後に来ちゃうんじゃないか。

篠田 えーっ、怖い!

 どんどん速くなって、その期間が短くなり過ぎると、無限大の技術進化の時代が来るということですね。

齋藤 そうです。

 さきほどの話に戻ると、科学技術が生命体にどういう後押しをすると、僕たちは死なない生き物になっていくんですか?

齋藤 技術が進んで最近分かってきたのは、生命も情報だということなんです。DNAというのはものすごい情報のかたまりで、その組み合わせが生命なんだということが、だんだん分かってきました。で、解読はさらに進んで、今はその情報を操作できるレベルにまで来ています。
 そうすると、人間の生活を生まれたときからずうっとモニターするような機械が出てきて、それを分析していくことによって、たとえば、病気になるのを防げるようになる、病気になっても治せるようになる。
 また、iPS細胞のような技術が実用化すれば、人間の体を再生することが可能になります。そうすれば、老化が止められる。さらには、逆転もさせられるようになる。

 若返るということですか?

齋藤 そうです。若返りです。

淳・篠田 わぁーっ!

齋藤 で、さらに驚くことを言えば、そのレベルのことは、2040年代までいかなくても、実は2020年代後半ぐらいから現実化してくるとも言われているんです。

篠田 えーっ!

 遠い未来には、そういうすごい時代もが来るかもしれないと思われていたのが、意外と速くというか、かなり速く来ちゃいそうだということですね。

齋藤 そうなんですよ。

篠田 でもAIがどんどん進化すると、我々はAIに負けてしまって、人類にとってはすごく怖い状態になるんじゃないでしょうか。

 何か乗っ取られるというか……。それこそ映画の『マトリックス』の世界ですよね。

篠田 そういう恐ろしいものではなく、我々に何か大きなメリットはあるんでしょうか?シンギュラリティの先にある世界って。

* * *

 シンギュラリティの先にある世界は、私たちにとって恐怖なのか、幸せなのか? 第2回は9月11日公開予定です。

「ロンドンブーツ1号2号 田村淳のNewsCLUB」(文化放送)は毎週土曜日 13:00~14:55の生放送。過去の放送はラジコのタイムフリーで聞けるほか、毎週多彩なゲストが登場する「今週のすごい人」は、番組HP内web radioでも配信中です。

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シンギュラリティ・ビジネス

2020年代、AIは人間の知性を超え、2045年には、科学技術の進化の速度が無限大になる「シンギュラリティ」が到来する。そのとき、何が起きるのか? ビジネスのありかた、私たちの働き方はどう変わるのか?

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齋藤和紀

1974年生まれ。早稲田大学人間科学部卒、同大学院ファイナンス研究科修了。シンギュラリティ大学エグゼクティブプログラム修了。2017年シンギュラリティ大学グローバルインパクトチャレンジ・オーガーナイザー。金融庁職員、石油化学メーカーの経理部長を経た後、ベンチャー業界へ。シリコンバレーの投資家・大企業からの資金調達をリードするなど、成長期にあるベンチャーや過渡期にある企業を財務経理のスペシャリストとして支える。エクスポネンシャル・ジャパン共同代表、Spectee社CFO、iROBOTICS社CFO、Exoコンサルタント。

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