似合う服がないと思ってた中学生のときに
エミリーテンプルキュートに出会う
石黒 今、大学院生をしながら物書きとして仕事を始めつつあるわけだけど、文学に目覚めたのはいつ頃?
大石 実はそんなに読書家じゃなかったってことがコンプレックスの一つでした。私はあんまり本読んできてないなっていうのを中学のときに思って。ちっちゃいときは絵本がすごく好きだったんですね。うちにもたくさんあって。絵本を読まなくなった小学校に入るころから、長めの児童文学読むようにはなったんですけど、それから中学ぐらいに雑誌の面白さに目覚めて、雑誌ばっかり読むようになったんです。「Zipper」とかその前はギャル系のもいろいろ読んでましたけど、中2くらいにZipper」や「CUTiE」に固まって。あと、インターネットを小3から始めて、ハマってしまって。最初は「モーニング娘。」のファンサイト見てました。でもうちでは「モー娘。」のグッズやCDを買うのは特別なときしかダメで。でもネットだったら見れるっていうことに気づいてしまって、ネットで情報見たり、画像印刷したりしてたんです。
石黒 自分のなかで好きなカルチャーみたいなものが生まれてきて。そういう中で友達と合わないみたいなものがあった? 多数派ではないとか。
大石 私は大枠は多数派で細かいところが少数派だったんです。J-POP聴くし雑誌読むしプリ帳作るしだったんですけど、それがみんなが「ORANGE RANGE」や「セブンティーン」って言ってる中でそうではなくて、椎名林檎が好きだったり、「Zipper」だったり青文字系の雑誌を読んでいたりとか。そういう違いだったので。ファッションも好きだけどギャル系ではなくて私はロリータ系とか。だからそこで共存というと大げさですけど、そんなに疎外感みたいなものは感じずにいたんです。でも「●●いいよね」と言い合ったりとか、一緒に買い物行くとか、共通の話題で盛り上がるってことはなかったですね。
石黒 ロリータ系が好きになったのはどうして?
大石 それもインターネットですね。インターネットでロリータ系の人の個人サイトを見るようになったんですけど、一般人の女の子がかわいいお洋服の写真とか載せて、自分の世界観を造り上げたページ。すごい凝ってるんです。それ見てエミリーテンプルキュートっていうのを知って、私が小さいときに着ていたお洋服(シャーリーテンプル)のお姉さんブランドだったってこともあって、すごく好きだなって思って。中学生のとき、私は自分に似合う服がなくて、何着ても似合わないって思っていて。自分が着たいと思い、かつ自然な服がないなともやもやしてるときに、そのサイトでエミリーテンプルキュートに出会って。当時福岡市内にはお店がなかったんですが小倉にあって、親が連れて行ってくれて、初めてエミリーのお洋服を手に取ったときに「ああ、これは子供のときに着てた感覚だ」って思って。
石黒 お店でこれだ、って思って以来は一直線でしょ?
大石 そうですね、ほかはほとんど買わなかったですね。小倉のお店がわりとすぐなくなってしまって、一時期何回か京都店から取り寄せてたこともあります。実際のもの見られないから不便なんですけどね。それから福岡の天神にできたんです。なので受験生時代はそこに行って、買わないまでも見たりしてました。必要なものは親が買ってはくれていたんですけど、もちろん買い放題ではないから。ほしいものはいくらでも出てくるけど……。安くないので。これを全部ほんとはずらっと欲しい、っていう勢いですけど……。
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