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南極調理隊タテヤの越冬日記

2014.03.31 公開 ポスト

第3回

黄金の夕日と新鮮!手巻き寿司竪谷博

 2月4日。この日の晩はちゃんこ鍋で盛り上がりました。ヘリコプターオペレーション担当で55次隊に同行しているオーストラリア出身のクルーたちにも、「ベリッグ! スープ!」と大好評。具材は、エビ、ホタテ、銀ダラ、ハマグリ、広島大粒かき、鶏、きのこ各種、春菊、白菜、ネギ等々。

 

 2月5日。夕飯の写真3枚です。牛肉ピーマン炒め、山芋の梅風味揚げ、がんもと根菜の五目煮、金平牛蒡、貴重なフレッシュオレンジ等々。ごはんの時間はみんな楽しみにしていますが、特に若い隊員はいつもニコニコ笑顔でご飯をよそいにきます(^^)。

 

 2月6日。この日の昼食は「豚骨醤油チャーシューメン野菜増し増し脂少なめ」でした。隊員からは「脂やや多めの麺固め」など、細かな注文も入ります。やっぱりみんなラーメン好きなんだよね~! 今のところ「僕の体はラーメンでできている!」と言った隊員はいませんが(笑)。

 

 2月7日。沿岸生物調査のため、海氷下にいると思われるショウワギスを釣ってみることになりました。まず、調査釣りの目的地へ、決められたルートに沿って向かいます。

 

 ドリルで約2mの穴を海氷に開けます。場所によっては氷の厚さが2m以上あり、貫通不能で断念……。氷に穴を空ける作業は3人がかりで、かなり力がいります。このエンジン付きドリルの重さだけでも約20㎏! この日の気温はマイナス5°。風がほとんどなくて助かりました。風が吹くと、体感気温はあっという間にグッと下がって、温度計の目盛の倍ぐらい寒く感じられます。

 

 見事ショウワギスを釣り上げたM隊員!(イケメンです)。

 

 氷の穴に糸を垂らしてひたすらアタリを待つ隊員たち。エサはスルメイカの切り身がよいみたいです。

 

 釣果は20尾程でした。刺身もうまかったですが、から揚げにして熱々のところをサッとひと塩で丸ごと食べる方がいいかも(調査の一環ですから、解剖調査を行ってから調理してますよー)。タテヤから調理後の一言。「ほぼオコゼです」。

 

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南極調理隊タテヤの越冬日記

南極ではどんな暮らしをしているの? 何を食べてるの? 第55次南極観測隊・調理担当隊員タテヤが、昭和基地での日々をレポートします。

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竪谷博

1972年、東京都生まれ。日本料理店での修業を経て、居酒屋・風神亭チェーンの料理人として腕をふるう。41歳で一念発起し、第55次南極観測隊の調理担当として、2013年12月、昭和基地に赴任。ただ1人の調理担当隊員として、第55次南極観測隊越冬隊24名の活動を支え、15年3月に帰国。同年7月には東京都杉並区に居酒屋「西荻窪じんから」をオープン、居酒屋激戦区の西荻窪で多くの人に愛される人気店になる。47歳で再び一念発起し、第61次南極観測隊越冬隊の調理担当として、19年12月、昭和基地に赴任。越冬隊30名の活動を支えている。

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