GW最終日。遠くに出かけなくても、東京にも自然がたくさんあります。プチ旅行をしたような気分になれるこんな場所に足を運んでみてはいかがでしょうか。
東京には意外と自然が残っている
それはある雨の日だった。僕は青山の骨董通りの近くのレストランでディナーをしていた。民家の間の路地を入ったところにあるフレンチだ。青山は、地図を見ると、ちょうど原宿と渋谷と六本木の三角形の真ん中辺りにある。つまり、東京という大都市のど真ん中だ。そのレストランで食事を終え、外へ出た。まだ雨が降りしきるなか、僕は傘を開こうとした。そのとき、とても大きなヒキガエルが、民家の庭先からのっそりと歩いてきたのだ。
カエルというのは、卵を水の中に産む。それがオタマジャクシになり、やがてカエルへと成長する。こんなコンクリートジャングルのどこにそんな水辺があるのだろうか。僕はとても不思議に思った。青山で見たあのヒキガエルが、いったいどこで繁殖しているのか、僕には未だにその謎が解けない。
今回、紹介したいのは青山ではなく、白金だ。白金は東京の都心にある高級住宅地であるが、ここには緑豊かな自然が残っている。ひとつは日本庭園で人工的な自然だが、もうひとつは本当にびっくりするような自然が残っている。八芳園と国立科学博物館附属自然教育園である。このふたつ以外にも、都ホテル、自然教育園のとなりにある庭園美術館や東大医科学研究所など、白金には緑のネットワークが形成されている。
さて、白金の自然美を鑑賞するツアーに出かける前に、まずはシェラトン都ホテル東京で、お茶でもしよう。ここの庭園もなかなか立派で、入っているレストランもいい。中華料理の「四川」は、辛い中華が食べたくなったときに、おすすめだ。
お茶をするのは、1階ロビーにあるカフェのバンブーである。真ん中に噴水があり、大きなガラスの窓からは、都ホテルの日本庭園が見渡せる。僕は、昔、白金に住んでいたのだが、当時は、まだラディソン都ホテル東京で、シェラトンとは提携していなかった。週末はここでランチをしたり、本を読んでいた。うな丼やらカレーライスがそこそこ美味しく、白金にある高級ホテルにしてはふつうの値段だった覚えがある。2000円も出さずにランチが楽しめた。
しかし、いまは都内の高級ホテル並みの値付になっていて、白玉ぜんざいが1470円だ。日本もどうやらデフレを脱却しつつあるようだ。
シェラトン都ホテルから、目黒通りを白金台の駅のほうに向かって5分も歩いていくと八芳園の入り口がある。八芳園は、明治学院大学と都ホテルと近接している日本庭園だ。名称は、四方八方どこを見ても美しい庭園、に由来するそうだ。
元々は徳川家康の側臣の屋敷であったのだが、その後、実業家の手に渡り、現在も民間の企業が経営している。日本庭園は無料で見ることができ、中にはレストランやカフェがある。おそらく収入源は、結婚式などのイベント会場なのであろう。ここのレストランも、手頃な値段でランチを楽しめて、なかかないい。
樹齢数百年の樹木が生い茂る、都内有数の日本庭園である。
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理性と欲望の東京ガイド
2020年東京オリンピックの開催が決まった。ときにおちぶれたかのような指摘をされる東京だが、お金を儲けるのも、デートをするのもまだまだ大きな可能性がある。ブログ、メルマガで圧倒的人気を誇る、藤沢さんが経済にも恋愛にも使える東京を縦横無尽に案内。