◆倫理だって時代とともに変わる
堀川 たぶん人づきあいも煩わしく思ってる人が多いのかなと思って。特に家族関係とか。家族関係って1か0かみたいな感じがあるじゃないですか。強すぎるんですよね。つながり方がね。ずっと家に一緒にいなきゃいけないとか、婚姻関係のつながりが強すぎちゃって。もっとゆるくてもいいんじゃないかなと。
pha 今回の著書にも書いたんですが、家族関係ってもうちょっとゆるやかになったらいいと思うんですけどね。もっといろんな家族の形があっていい。
堀川 そうですよね。わりと最近は同性婚も認められてきましたし、いずれテクノロジーで同性の間からの子どもをつくれる時代にもなる。どっちか一方から精子をつくって、もう一方から卵子をiPS細胞とかでつくって、受精させたらできますからね。あるいはクローンもできたりするし。テクノロジー的にもそれはいずれ実現してもおかしくないですし。
pha そのうちそういう世の中になるんでしょうね。なかなか倫理的に認められるには時間がかかるのかもしれないけど。
堀川 倫理なんていうのは、時代とともに変わっていくので。だからいまphaさんが新しいってなってるけど、それが10年後にはもう当たり前すぎる感じになってるかもしれないですしね。僕みたいな人間も当たり前になってくるかもしれないし。
pha そういえば、クマムシは雌だけで繁殖するんですよね。
堀川 そうなんです。ヨコヅナクマムシは、雌ばかりで、雄はいません。雌は交尾をせずに卵をつくって産みます。ドラゴンボールに出てくるナメック星人も、交尾をせずに口から卵を吐き出します。あれと同じですね。ナメック星人もみんな雌なんですよ。
pha じゃあ、クローン的に増えていくからもうずっと遺伝子は一緒っていう感じなんですか?
堀川 基本的にそういうことですよね。もちろん、時間がたてばDNAに変異が蓄積したり、他の生物からの遺伝子が入り込んだりして、進化はしますが。
pha おもしろいですね。
堀川 そうそう、お聞きしたかったのが、ニートって不可避的にニートになるのか、能動的にニートになるのか、どういう感じなんですか?
pha どうなんですかね。どっちもいると思いますけど。
堀川 phaさんの場合は能動的にニートになったわけじゃないですか。
pha 不可避的になる人も多いんじゃないですかね。でも、それで選択肢がないとかになるとキツいので、もうちょっとゆるくニートから脱出できる道があったらいいなと思う。本当に不可避的にニートになって、それしかできない状態だと辛いと思うので、行ったり来たりできたらいいなって思うんですけどね。
堀川 なる時もあれば、ならない時もあるみたいな感じで。
pha ちょっとゆるく、ニートでも人とのつながりを持ち続けたりとか、「ちょっと仕事を手伝わないか」とか誘われて行ってみたりとか、そういう道がいっぱいあればいいと思うし。あっても、探しづらかったりするんですよね。だから、就活に失敗したら絶望してしまうとかあるのかもしれません。本当はいろいろあると思うんですけどね。
堀川 そういう生き方のトレーニング法みたいなものがあるといいですね。仕組みがあれば、もっとみんなやるかもしれない。
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