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生き方3.0

2013.11.20 公開 ポスト

特集 生き方3.0 國分功一郎×麻木久仁子スペシャル対談

社会全体が「政治に無関心な若者」を育ててきた(2/4)麻木久仁子/國分功一郎

直接聞いた一言一言が堆積していった

麻木 私がこの本を読んでいいなと思ったのは、「ネット時代の陰」的なものを感じなかったこと。もちろん運動の告知とかにはネットをフルに利用してたわけだけど、根本では、地域のコミュニティの人たちと直接会って話してる感じがとても伝わってきた。

國分 それはすごく嬉しいです。いろいろな人と実際に言葉を交わした経験は本当に貴重で、たとえば僕は運動の目的として、道路建設で失われる雑木林のことばっかり言ってたんです。でもあるとき、自分の家を守るために運動している方の言葉を聞いて、ハッと気づいた。「あ、俺、この人のことを考えてなかった」って。それはツイッターで意見をもらうのとは、やっぱり違うんですよね。そうやって、実際に面と向かって話をした方々の一言一言が心の中に重く堆積していったことは、外に向けて語るための言葉を紡いでいくにあたって大きな支えになりました。(第3回に続く)

*この対談は全4回です。次回〈國分さんが学者をやめて運動家になっちゃうのかと心配だった〉は11月29日掲載予定です

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麻木久仁子

1962年、東京都生まれ。学習院大学法学部中退後、芸能活動を開始。司会者、女優、エッセイスト、コメンテーターなど幅広く活躍。無類の読書好きで、TBSラジオ『麻木久仁子の週刊「ほんなび」』のパーソナリティを務めるほか、人気書評サイトHONZのレビュアーでもある。

國分功一郎

1974年、千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部准教授。専門は哲学・現代思想。著書に『スピノザの方法』(みすず書房)、『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社、第2回紀伊國屋じんぶん大賞受賞、増補新版:太田出版)、『ドゥルーズの哲学原理』(岩波現代全書)、『来るべき民主主義』(幻冬舎新書)、『近代政治哲学』(ちくま新書)、『中動態の世界』(医学書院、第16回小林秀雄賞受賞)、『原子力時代における哲学』(晶文社)、『はじめてのスピノザ』(講談社現代新書)など。訳書に、ジャック・デリダ『マルクスと息子たち』(岩波書店)、ジル・ドゥルーズ『カントの批判哲学』(ちくま学芸文庫)など。

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