「好きな人にしか私の官能は引き出せない」は大ウソ
植島 『快楽上等!』によると、40代がマックスだったの?
湯山 なにが? 性欲が?
植島 そう、性欲の話。
湯山 何で省略してるんですか(笑)。
植島 ちょっとね、ちょっと言いにくかった(笑)。10年ちょっと前ぐらいまで言われなかったですよね。
湯山 言われなかった。女の人のマスターベーションもないことにしてましたからね。40歳前後でイライラしたりする時、私はもう完全に自分のムラムラだと思ったんですけど、それを世間の女性たちは、「更年期前はいろいろ不安定だ」って言うんですよ。女性は、そういうことを言語化できないのかってすごく苛立ちましたよね。だから『四十路越え!』ではそれをオープンにして、「違うよ」って言ったんです。イライラではなくて、きちんとその中にムラムラがあるんでございますよ、ということをね。
ただ、女が自分の性欲をはっきり自覚して行動を起こした時に、世の中のいままでの既存のモラルやシステムは壊れていくので、やっぱり体制は嫌いますよね。
植島 女の人は、結婚しててもしてなくても、好きな人とセックスすることは抵抗がなくって、そうじゃない人とセックスするのは抵抗あるっていうのが一般に言われていることじゃない。でも、本当にそうなのかなって、ずっと思ってた。
湯山 私はね、「男女にかけられたロマンティックラブの呪い」って言ってるんですけどね(笑)。女の人って、生きていく上での二律背反というか、ダブルスタンダードをうまく使うので、言っていることを信用しないほうがいい。性欲に関しても、好きな人にしか官能は引き出せないっていうのは大ウソ、大ウソ(笑)。好きじゃないほうが燃えて、最愛の人だとけっこうダメという人も多い(笑)。
植島 絶対そうですよね(笑)。