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南極調理隊タテヤの越冬日記

2014.04.30 公開 ポスト

第5回

昭和基地で迎えた3・11竪谷博


 忘れもしない3・11。


「ここ南極の地においてもあの日のことを忘れてはならない」と隊長から一言いただき、私達観測隊も、昼食前に全員集合して1分間の黙とうを行いました。

 この日は1日3食、石巻産の缶詰めや……


 三陸産わかめ等が食卓に上がりました。三陸のわかめは、香り良く歯ごたえも良く、美味しいですね。みんなで山盛り食べました。


 隊の中に当時被災地に急行した消防署の隊員がいて、そのときの生(なま)の話を聞きました。何日もインスタント食品等を食べていると、喉は渇くし、何よりもビタミン不足になり、野菜が食べたくなったとのこと。今回南極へ調達した品々は、去年の夏に、石巻をはじめ、再建して間もない現地のお店の方と直接やりとりをして持ち込んだものがほとんどです。その時から、「3・11はみんなで東北の食べものを食べよう!」と決めていました。


 少しでも復興が進むことを、そして1人でも多くの方の心が明るくなるよう祈っております。ブリザードが明けたこの朝のように……。

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南極調理隊タテヤの越冬日記

南極ではどんな暮らしをしているの? 何を食べてるの? 第55次南極観測隊・調理担当隊員タテヤが、昭和基地での日々をレポートします。

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竪谷博

1972年、東京都生まれ。日本料理店での修業を経て、居酒屋・風神亭チェーンの料理人として腕をふるう。41歳で一念発起し、第55次南極観測隊の調理担当として、2013年12月、昭和基地に赴任。ただ1人の調理担当隊員として、第55次南極観測隊越冬隊24名の活動を支え、15年3月に帰国。同年7月には東京都杉並区に居酒屋「西荻窪じんから」をオープン、居酒屋激戦区の西荻窪で多くの人に愛される人気店になる。47歳で再び一念発起し、第61次南極観測隊越冬隊の調理担当として、19年12月、昭和基地に赴任。越冬隊30名の活動を支えている。

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