僕、完全に女子アナ恐怖症になりました(田中)
田中 『わたしの神様』について、他の女子アナの方の感想は聞きました?
小島 いや、全然。
田中 え、聞いてないんですか。1人も? 女子アナの方とか、元女子アナの方とか、誰にも?
小島 女子アナ、元女子アナとも聞いてないです。
田中 え~。今日は女子アナの反応をいちばん聞きたかったのに~。
小島 もし、あの小説を元女子アナの人が出して、私が現役のアナウンサーとして読んだとしたら、「ちょっと、私こんなにゲスいことしてないし!世間の妄想に対して『違うんです』って言うどころか、全肯定じゃないの。迷惑だわ」って思ったでしょう。
田中 あ~、マジですか。僕、その妄想にすっかり乗っちゃいましたよ。僕もテレビ業界に、一応30年ぐらいいるわけですよ。女子アナの方ともお付き合いしてきたわけです。それで『わたしの神様』を読んだ日には、うわあ、女子アナってこんなだったんだ~と、まずは驚いた。少し落ち着いてから、あ、わかった、これはTBSの話だ、フジにはこういう女子アナはいないぞと。そこまで気持ちを整理させるのが大変だったのに。え~、仁和まなみも佐野アリサも妄想だったのか~。
小島 あははは、妄想です、妄想ですってば。私、局アナ時代に、ごく普通のアナウンサー同士の会話の中で「とか言っちゃって本当はこう思ってるんでしょう」って勝手に相手の副音声を妄想していたんです。それを主音声として書いてみたら、すごーくエグかった……って、単に私が考えすぎなんですけど。相手はいい迷惑ですよね。「そんなこと私、思ってないのに」と言うでしょう。でも、多少は思ってるんじゃないかとまだ勘ぐってますが。
田中 妄想とも知らずに、僕は完全に女子アナ恐怖症になりました。
小島 それは申し訳ないことを(笑)。そんなに怖かったですか。
田中 唯一、受け容れてもいいかなと思うのは、女子アナになれなかった裕子ぐらいです。
小島 ああ、巨乳不倫女の野元裕子ですね。
田中 あ、でも裕子もツラいかも。となると、あのなかでは非正規雇用の庶務の金井君ぐらいしか僕の話し相手になってくれそうな人はいないですよ。
小島 滝野ルイはどうですか。
田中 ムリっ。
小島 即答ですね。
田中 まなみにもアリサにもモデルがいるんでしょう。
小島 いや、モデルはいないですよ。
田中 でも、妄想にちょっと実物の女子アナを混ぜ合わせたりしているでしょう。
小島 女子アナに限らず、あそこに登場する人物を全部足して、こねて、自意識過剰にすると私が出来上がります。
田中 うわぁ~、ということは小島さんがいちばんのモデルなんだぁ~。
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