「ストレスに耐えるコツ、それは鈍感になることさ」
堀川 僕が作ったクマムシキャラクターのキャッチは「ストレスに耐えるコツ、それは鈍感になることさ」なんです。僕もそのあたりを見習って生きてるんですけどね(笑)。
pha クマムシぐらい鈍感になれたらいいな(笑)。
堀川 彼らは厳しい環境にあると、本当に仮死状態になって、すべての生命活動をストップするんです。体の中から水がなくなると、代謝が起きなくなります。ということは、神経細胞も動いていませんから、本当に何も感じない状態になってる。いじめられても、ものすごい圧力をかけられてもまったく感じないし、蘇生した時には寝てる間に何が起きてたか分からないというぐらい究極の鈍感状態ですね。
pha なかなか人間では難しいけど、そこまでの状態になれたらいいなと憧れますね。お金がなくなったら寝ていれば低代謝で済んで、水をかければ元に戻るみたいな。堀川さんご自身は鈍感ではないんですか?
堀川 普通と比べてどうなのかはよく分からないんですけど、たぶん鈍感になってきた気はします。昔に比べて。昔はわりと周囲を気にしていましたね。
pha そもそもクマムシに興味を持たれたのはなぜなんですか?
堀川 大学時代、僕が入った研究室のOBがクマムシを持ってきたことがあったんですよ。それを見てまずかわいいと思ったのと、乾燥してもまた復活したところを間近で見て、「あ、これはすごい」と。その強さがかっこいいなと。
pha そういえば、「堀江貴文さんもクマムシみたいだ」とツイッターでおっしゃってましたよね。堀江さんと僕は全然違うと思うんですけど、鈍感とかそういうところは共通してるのかな。
堀川 そうですね。叩かれても受け流してる感じとか、すごくマイペースじゃないですか。そういうところは似てるのかなって。
pha 堀江さん、復活されましたしね。しばらく塀の中に閉じこめられてましたけど。
堀川 ありとあらゆる活動が制限されますからね。その時期が仮死状態みたいな。
pha 仮死状態だったけど、水をかけられた(笑)。
堀川 そう、水をかけて、ちゃんと元通り活動し始めて。
pha 何事もなかったかのように。
堀川 それがすごいなと思うんです。普通だったら、あれだけ叩かれたら「もういいや」って思っちゃいますよ。なのに、またちゃんと元通りに復活している。phaさんはどうなんですか? やっぱりもともと鈍感な性格だったとか?
pha そうですね。昔から他人の評価とかは気にしない、何て思われるかは気にしないみたいな感じでしたね。だから、生まれつきなものなんじゃないでしょうか。
堀川 天性の鈍感(笑)?
pha 天性というか、何かが欠けてるのかもしれないんだけど(笑)。若い頃は今よりもうちょっと気にしてたけど、年を取るにつれてさらに「なんかもうどうでもいいや」って感じに、「どう見られようがかまわん」みたいな感じになりつつはありますね。
堀川 小学生の頃とか、クラスの中の同調圧力とかってあるじゃないですか。みんなと同じことをやっていないと批判されたりするんですけど、phaさんはどういう感じだったんですか? 周りに合わせようとしてましたか?
pha 最初は合わせようと頑張ってた時期もあったけど、うまくできないのでわりと早々に諦めました。「自分は周りの人と同じようにはなんかできないな」と思って、周りに合わせるより一人で本でも読んでた方がいいやみたいな感じになっていって。ですから、やっぱり小学校・中学校・高校は居心地がよくなかったという記憶があります。
堀川 僕もあまり勉強をする意味が分からなくて、全然しなかったりとか。忘れ物もしょっちゅうしてて。たぶんそれは病気だと思うんですけどね(笑)。でも、確かに気にしていなかったかもしれない。というか、気にしていたら、たぶん直そうとしてたと思うんですけど、あまり直そうともせずにやってたので。
pha 気にしなくていいですよね。みんな気にしすぎだなと思うし、無理して合わせすぎなんじゃないかなって。もっと自分の好きなようにやっていいんじゃないかって思いますけどね。
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