放っておくと孤立するからつながる機会を作る
堀川 他人と一緒に暮らすことのストレスとかはないんですか?
pha たまにありますけどね。でも、一人よりはましかなと。独り暮らしがすごく閉じててつまらない感じがあって、つらかったんです。だから寮みたいに周りにゆるく人がいる方がいいと思ってて。シェアハウスも自分の個室はあって、一人になりたい時はそこにいればいいですし。キッチンやリビングは共有ですから、人に会いたい時はそっちに行って、こもりたい時はこもってみたいな感じで。もっとも、個室で一人でいることの方が多いですけどね。
堀川 ニートというと閉じられている印象がありますけど、phaさんの場合は開かれてますよね。
pha つながりを維持するのは大事ですよね。だから、仕事をしていなくても、他人とのつながりとかをうまく作れたらいいなと思ってます。
堀川 僕も2年間ぐらい部屋をシェアしてた時期があるんですよ。アメリカに住んでたんですけど、シリコンバレーってむちゃくちゃ家賃が高いので、半強制的にルームシェアせざるを得ないんですよね。2年間に確か3回ぐらい部屋を替わってるんですが、合う人は合うんだけど、合わない人とは本当に合わない。かなりのストレスでした。
pha 変な人が多かったんですか?
堀川 ええ。ルームシェアはしてなかったですけど、部屋を探している段階で、すごいやばそうな人がいたり。実際に住んだ人たちとの生活も辛い部分が多かったですね。
pha 何が合わなかったんですかね。
堀川 まず何を話せばいいのか分からなかった。気まずい。言語の壁もあるんですけど、なんか合わないんです。
pha アメリカ人?
堀川 アメリカ人、ロシア人、香港人などなど。まあ、合わない人は日本人でも合わないでしょうけど。
pha 堀川さんて、あんまり気まずくならなさそうですけどね。
堀川 いや、なりますよ。そういう経験があって、いまはだいぶ鈍感になってきてると思うんですけど。当時は日本だけで30年間生きてきたから、ちょっと神経質な感じではあったんでしょうね。一般的な日本人のレベルってけっこう神経質なんですよ。そのあとアメリカやフランスに行ったりして、だいぶ鈍感になった気が。だから、天性で鈍感って本当にすごいなって思います。あと、ご著書を読んでいて意外だったのが、いろんなイベントを主催されたりしていますよね。僕はそういうのがすごく苦手なんです。やることもあるんですけど、すごく疲れる。
pha まあ疲れますよね。
堀川 飲み会一つにしても「今度やろう」とか言っておいて、結局何もしないでそのままズルズル行っちゃうじゃないですか。でも、phaさんてわりと小まめにイベントとかやられてるんですよね。
pha 逆にニートになってからそういうのをやるようになったというか、放っておくとつながりがなくなるからっていうのはありますね。会社に勤めてる時はそんなのやらなかったですし。ニートだと放っておくとけっこう毎日孤立するから、そういう機会をあえて作るというか。まあ、機会を作ってもわりとほったらかしというか、日時だけ決めてあとは適当になあなあだったりしますけど。
堀川 でも、人を集めてイベントやったりっていうのも、仕事と言えば仕事のような気がするんですけど、やっぱり会社に勤めることとは違うんですか。
pha そうですね。人を集めたりとかは自分の気分次第でやればいいし、せいぜい月1、2回くらいとかですが、仕事は毎日あるわけじゃないですか。毎日決まった時間に行くみたいなのがすごく辛い。決まった時間に行って、途中で帰っちゃいけないとか。自分のイベントだったら途中で帰ってもいいし、わりと行かなかったりとか、「ちょっと今日だるいので」とかって帰ることもあったりするので(笑)。