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2013.11.15 公開 ポスト

特集「清須会議」をもっと楽しむ!

担当編集者に聞く。
小説『清須会議』はいかにして生まれたか?菊地朱雅子

歴史を知らない私にもおもしろい

――プロローグの冒頭で、信長が「熱いな。」って……一体そこで何が起きているのかわかるまでちょっと時間がかかりました(笑)。文章のリズム感や表現、人物描写がすごくうまいですね。

「俺」や「儂」という一人称の違いだけではなく、言葉遣いに表れる人柄をここまで書きわけられるのは、三谷さんがセリフの人だからですよね。

いわゆる「敗れゆく者の美学」が好きな三谷さんは、登場人物の中でも露骨に熱くて愚かな柴田勝家がお気に入りだと思います。また、策略家の羽柴秀吉、頭が切れて情もあるけど利を取りたい丹羽長秀、格好つけているつもりで単純馬鹿の池田恒興といった、三谷さんがいつも描いている人間くさい人たちを4人がまさに具現化していると思います。

架空の人物やあまり有名ではない人物が登場する時代小説も多いですが、『清須会議』は小学校の歴史の授業で習うような人物たちばかり。すべてを説明しなくても読者に察してもらえます。でも、実は、私は歴史に疎くて、そもそも清須会議のことすら知らないくらいでした。

 

─『清須会議』について勉強したりはしなかったんですか?

しませんでしたね(笑)。私が詳しくなってもしょうがないかなと思って。でも、歴史を知らなくても、よく理解できておもしろいというのが本書のオシです。

 

――菊地さんのお気に入りの登場人物は?

映画を見た後になってしまいますけど、勝家と秀吉のどっちにつくか葛藤する長秀を演じた小日向文世さんの心理表現がすごくうまかった。中谷美紀さんが演じている秀吉の妻の寧も、秀吉のためになることならなんでもやる純粋さが切なくて、かわいらしくてけなげでバカバカしいところがすごくよいです。セットも衣装もすごく豪華。小学5年生のときからアイデアを煮詰めてきた三谷さんとしては、格別の思いでしょうね。

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菊地朱雅子

ぴあ株式会社を経て、1995年1月幻冬舎に入社。「星星峡」編集長、幻冬舎文庫編集長、「GINGER.L」編集長を歴任して、現在、取締役。唯川恵氏、湊かなえ氏らの文芸、ミステリ作品をはじめ、さだまさし氏、小林聡美氏などの幅広い執筆陣を担当している

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